屍男「おい、そこのロクでなし」吸血娘「なんだ髪なし」
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 20:57:29.73 ID:v9qraTHso
屍男「その通りだ。彼の存在は俺も耳にしていた。とてつもなく強い狩人がいるとな」
屍男「実際に会うまでは都市伝説の類いの一つだと思っていた。誰もその存在を目撃したことがないというのはあまりに不自然だ。誰かが抑止力として流した噂だとな」
以下略
AAS
348
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 20:58:39.44 ID:v9qraTHso
屍男「直感的に理解した。この男が“Shadow”なのだと。そして反射的に体が動いた。俺は……立ち去るその影を呼び止めた」
屍男「今にして思えば、愚かな行為だ。彼が目撃者を全て消すというスタイルだったなら、俺はその瞬間に死んでいただろうに」
屍男「俺は彼に、弟子にしてほしいと頭を下げ、頼み込んだ。正直、承諾するとは思っていなかった。相手にされないだろうと、ならばどうやって説得しようかと、頭の中では次の行動を考えていた」
以下略
AAS
349
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 20:59:46.07 ID:v9qraTHso
屍男「初めは耳を疑った。まさか、こんな簡単に上手く行くなんて、思ってもみなかったのだからな。罠かと疑いもしたが……俺に選択肢はなかった。立ち去る影の背中を追うことにした」
屍男「それからはその男と共に暮らし、狩人としての知識と技術を学んだ」
屍男「まあもっとも……教えらしい教えは一切なかったがな。俺と彼の間にまともなコミュニケーションはなかった。言葉を交わしたのもこの出来事を含め数えるほどしかない」
以下略
AAS
350
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 21:02:44.05 ID:v9qraTHso
屍男「そこにあったのは……ベッドで、眠るように死んでいる影の姿だった」
屍男「最初は何者かの攻撃を疑った。だが、それらしき形跡はなかった」
屍男「念のために、死体を検視した結果……老衰だった。彼は寿命で死んだんだ」
以下略
AAS
351
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 21:04:22.59 ID:v9qraTHso
屍男「……だが“Shadow”として殺しを続けているうちに、なぜ彼があんな早死にしたのか、その真実に触れることになる」
屍男「ある日のことだ。いつもと同じ朝、目が覚め、シャワーを浴びていると……手に違和感があった」
屍男「何かと思い、見てみると……」
以下略
AAS
352
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 21:09:38.74 ID:v9qraTHso
屍男「いくら感情を殺しても、狩りというものは繊細な注意がいる。一歩間違えば死は避けられないのだからな。常に命懸けの綱渡りだ」
屍男「相手のスペックは常に上だ。精神を擦り減らし、たった一つの勝利へのルートを導き出し、そして戦闘では一秒を百秒に感じるほど思考を巡らせる」
屍男「自覚はなくとも、人間という生物の領域を超えた所業なのだろう。“Shadow”の戦闘スタイルは超短期決戦だ。一瞬の刹那に勝負を決める」
以下略
AAS
353
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 21:10:47.78 ID:v9qraTHso
屍男「それからしばらくすると、髪は生えてこなくなった。味覚などの器官にも影響が出た」
屍男「自分の肉体が崩れて行くのを感じたが、今更そんなことは止まる理由にはならなかった。もはや自分の命など……どうでもいい段階まで来ていた」
屍男「……そして、その時はやってきた。俺は……“紅眼”を殺すことに成功した」
以下略
AAS
354
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 21:14:54.48 ID:v9qraTHso
屍男「……俺にとってはもはや“紅眼”は他の標的と変わらなかった」
屍男「その頃にはもう相手の目を見るだけで、どのぐらいの秒数で仕留められるかが分かるようになっていた」
屍男「何年もかけて情報を集め、奴の潜伏先を暴いた時は興奮した。これでやっと復讐を果たせるのだと
以下略
AAS
355
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 21:16:10.36 ID:v9qraTHso
屍男「待っていたのは達成感と……虚無感だった」
屍男「今までの俺は復讐の為に生きていた。それがゴールであると信じていたし、その先には何もないと思っていた」
屍男「これから何をすればいいのか、分からなかった。だが、今更表の世界に引き返すことは出来ないというのは理解していた」
以下略
AAS
356
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 21:20:38.83 ID:v9qraTHso
吸血娘「……」
屍男「……もういいだろう。話すことは全て話した。これで終わりだ」
以下略
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357
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 21:23:22.69 ID:v9qraTHso
魔女「そう…...」
屍男「どうだ?これで満足したか?これがお前の知りたかった男の過去だ」
以下略
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