157: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:08:51.98 ID:/cdPx5HI0
はい。再開します。
158: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:11:49.35 ID:/cdPx5HI0
2017年12月16日。土曜日。
タブレットでVtuberの動画を眺めているとアンチョビが「おはよーうっ!」と現れた。
右手にみかんとりんごの入った籠を提げている。
159: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:13:12.98 ID:/cdPx5HI0
「……しっかり休んでばっちり治す気は本当にあるのか?」
疑わしげに見るアンチョビに俺は言葉をかえす。
「病院って暇なんだよね。1日1時間作業してた方が気が紛れる。アンチョビさんはデスクトップPCの方使ってよ」
160: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:15:01.63 ID:/cdPx5HI0
2017年12月17日。日曜日。
アンチョビの持ってきてくれたノートPCで動画の編集をしていると、花澤と長田がやってきた。
「転職案件やね」「これに懲りて無茶はやめよう」
161: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:17:25.40 ID:/cdPx5HI0
2017年12月21日。木曜日。
ようやくの退院である。
最後の診察で医者には「次また過労で入院したら治療費倍額請求するぞ」と言われた。
162: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:18:36.71 ID:/cdPx5HI0
うどんを平らげ、食後のお冷やを飲んでいると、アンチョビが「そういえば」と思い出したように口にする。
「今日の分の動画はもう撮ってあるからな。編集頼むぞ。私、午後はいないからな」
「どこか行くの?」
163: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:20:00.07 ID:/cdPx5HI0
「ええ、どこの店?」
「食べに来るか? 隣駅のイタリア料理店だ!」
――まったく、すごい行動力だなあ。
164: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:23:06.52 ID:/cdPx5HI0
2017年12月22日。金曜日。
監督と約束した場所は、荻窪の小さな食事処だった。
時間は夕食時の午後19時。
それまで俺とアンチョビは、延々と家でガルパンを1話からぶっ通しで観賞した。
165: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:24:35.56 ID:/cdPx5HI0
おばちゃんに、店内の左手に位置する階段を案内され、「ありがとうございます」とアンチョビと二人でそれを上がる。
正面のふすまをノックして中へ入ると、40代くらいの男女が下座に座って談笑をしていた。
両方の顔に見覚えがある。
女性の方は脚本、そして男性の方がガルパンの監督だ。
166: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:25:56.94 ID:/cdPx5HI0
監督はアンチョビの顔を眺め、興味深げに、
「あぁ実際に観ると動画よりもホンモノ感が増しますね。当たり前なんですけど」
「失礼ですよ」
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