11: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:12:19.36 ID:Wze3yOnD0
果ては見えない。巨大な鳥居が等間隔に立ち、ゆるやかな傾斜の参道を区切っている。
雲は無く、東の茜色の空に白い月がぽっかり浮かんでいた。
12: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:13:19.13 ID:Wze3yOnD0
「はふっ、はむふぅ。ほふー」
アツアツのイカ焼きを二人して齧る。
13: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:13:57.00 ID:Wze3yOnD0
「ふー、ふー。ずぞぞー」
「うまいか?」
「おいひいのでひてー」
14: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:15:12.62 ID:Wze3yOnD0
「育ちざかりゆえにー」
「そっかー」
「わたくしとて、まだ大きくなりましょー」
15: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:17:02.14 ID:Wze3yOnD0
振り返ると、ひまわり色のアシメショートの女性が人懐っこい笑みを浮かべていた。
彼女が広げるピクニックシートには、色とりどりの花々。
16: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:18:08.69 ID:Wze3yOnD0
ちなみにクロさんというのは俺のあだ名で、名付け親はまさに目の前の彼女。
由来はといえば「着ているスーツが黒いから」というごくごくシンプルなものである。そんなもんだあだ名なんて。
17: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:19:06.61 ID:Wze3yOnD0
彼女の扱う花は不思議なものが多い。
一度凛も連れてきてみたいと思っているのだが、惜しいことにタイミングが合わなかった。
18: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:20:20.38 ID:Wze3yOnD0
「ふっふっふ……今日はね、ちょうど新しい子が来てるんだ」
「新しい子?」
「とはー?」
19: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:21:10.45 ID:Wze3yOnD0
〇
花屋さんと別れ、人と風の流れに乗る。
20: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:24:14.33 ID:Wze3yOnD0
「もしー、そこの方ー」
「はいい!? どっ、どちら様でしょうかぁ……!?」
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