20: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:24:14.33 ID:Wze3yOnD0
「もしー、そこの方ー」
「はいい!? どっ、どちら様でしょうかぁ……!?」
「落ち着きなされませー。何かお困りなのでしてー?」
「えーっと、確かりすさんだったよね」
店員さんは自らが名乗る通り、りすみたいに縮こまって怯えていた。
それを二人してなだめ、話を聞いてみるに曰く――
「迷子?」
「は、はぃ……。買い出しを頼まれたんですけど……道がわからなくなって……」
無理もない。夜市の道は普通の道とは違う。
どうも空間が歪んでいるのか、元来た道が全く違う場所だったり、曲がった先が同じ通りだったり、
まっすぐ歩いたのに同じ鳥居をくぐるなどよくわからんことになっている。
当たり前の歩き方で目的地に辿り着くのは至難の業で、慣れていないうちに一人で歩くのは自殺行為に等しい。
俺だって芳乃がいないとこの子みたいになるだろう。
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