7: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:44:43.18 ID:XuoQ6Ng60
そうして、そんな気持ちを囃すような行ったり来たりのワイパーが、
何度目かの雨を拭った時にプロデューサーは口を開き――
無意識のうちに自分の身体を守るみたく、私は唇を噛みしめ身を縮めた。
8: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:47:20.33 ID:XuoQ6Ng60
===
真夜中の売店に人はまばら。
屋外、屋根の下に煌々と並んだ自動販売機の光を背中に受け、
9: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:48:31.70 ID:XuoQ6Ng60
そうして、一台のトラックが道に戻っていくのを眺めていると、
プロデューサーがそんな私の横顔に、「目、真っ赤にさせちゃったな」と優しく声をかけてきた。
私は缶コーヒーを手にしたままで腕を組むと。
10: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:49:46.54 ID:XuoQ6Ng60
「……エッチ」
なるべく、そう、素っ気なく言ってはみたけれど。
11: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:51:49.45 ID:XuoQ6Ng60
「冷え性だから冷たいかも……」
「だけどほら、心があったかい証拠って聞くぞ」
12: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:53:40.44 ID:XuoQ6Ng60
「あっ」
そのまま、彼の体の上に捕まえられてしまったのだ。
13: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:54:42.53 ID:XuoQ6Ng60
「――これだけで満足できますか?」
「できない……と、思う」
14: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:57:04.80 ID:XuoQ6Ng60
===
あの夜からもう一年が経つ。
私たちを取り巻く環境が変わっても、二人の関係は以前よりすこぶる良好で、
15: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:59:05.05 ID:XuoQ6Ng60
それでも、彼とお付き合いを始めてからの毎日はいつも新鮮で後悔なんてする暇も無いし、
何より今の私ときたら、夢から目覚めた次の瞬間、
世界で一番大切な人と「おはよう」と「愛してる」のコトノハを交わし合えるのがとても嬉しく。
16: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 20:04:48.89 ID:XuoQ6Ng60
===
おしまい。
自分は世代じゃないんですが、BNTを聴いた時から
どーしてもやりたかったブランニューネタをおよそ365日越しに。
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