186: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:35:04.82 ID:KfriHW7I0
――――――
朝日が、カーテンの隙間から部屋に差し込んでくる。
大きなあくびを一つ上げ、ググっと伸びをする。
187:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:36:58.11 ID:KfriHW7I0
――――――
3杯目 カクタル思い
188:名無しNIPPER
2019/05/03(金) 19:59:00.72 ID:Ux4VZ+H6o
おつおつ
こっちが恥ずかしくなったわ!
これは読み直して二度面白い奴だな
189:名無しNIPPER[sage]
2019/05/04(土) 00:44:28.41 ID:6qKfvimDO
乙
勇気が有るって良いな…
190:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/07(火) 20:44:09.52 ID:WrTit5G+0
春の陽気のせいか、身にまとったクロークの下は汗でびっしょりだった。
だが、これを脱いでしまうと、時折吹く冷たい風に誘われて身体が震えてしまう。これがいっそのこと、ひたすら暑ければ諦めもつくし、寒ければ身にまとう服の枚数を増やせばいいさ。だが、春は中途半端に過ぎる。だからこそ、俺は春が嫌いなのだ。
この半年間、俺は酒を飲んでは飛び、酒を飲んでは飛びと、千鳥足テレポートを繰り返した。
以前の失敗から、千鳥足テレポートの要領は得ていた。ただ酒に酔うのではダメなのだ。陽気な気分で足を右へ左へ自由気ままに進め、まるでステップを踏むかのようにリズミカルに、それでもなお前のめりに。そういう心持ちでなくては千鳥足テレポートは成功しない。
191:名無しNIPPER[sage]
2019/05/08(水) 00:34:21.72 ID:617mB4UDO
乙
192: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/08(水) 19:42:23.43 ID:uG8tzRkA0
「ねえお兄さん。悪いけど、このまま飲み続けられると他のお客さんの分がなくなっちゃうよ」
193: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/08(水) 19:44:47.54 ID:uG8tzRkA0
久しぶりの故郷の空気を吸い込んでも、俺には何の感慨も沸き上がらない。俺は、そもそも孤児だったし、幼い頃から勇者としての厳しい訓練や教育を受けていたためか、ここには何の楽しい思い出もない。浮かぶのは、せいぜいが、勇者としての責務を果たしきれていないことへの罪悪感ぐらいのものだ。
「ほっほっほ、久しいのう勇者様。帰ってきたということは、遂に魔王を打ち取ったか? 」
194: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/08(水) 19:45:13.75 ID:uG8tzRkA0
「かつて、お主と同じように女神から力を授かった勇者はたくさんおる。不死の力、莫大な魔力、全てを見通す目、まあ力は様々じゃが、共通している点がひとつ……」
「そ、それは……」
195: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/08(水) 19:45:41.49 ID:uG8tzRkA0
「……あるが、どうするのじゃ?」
「いえ、酔えなくはなったのですが、せっかくですからここのワインの味ぐらいは確かめて帰ろうかと……」
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