白菊ほたる「もう雨あがりに虹が掛かることもないんでしょうか」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:07:23.90 ID:47m1SMXJ0
「私は……」

「……? どうしました、ほたるちゃん」

「いえ、ええと……」
以下略 AAS



23:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:07:49.73 ID:47m1SMXJ0
「ええと……。太陽じゃないなら、何が月を照らしているんですか……?」

「決まってるじゃないですか。地球ですよ」


以下略 AAS



24:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:08:23.43 ID:47m1SMXJ0
「じゃあほたるちゃん。あの月が地球の光で照らされているっていうのを、ちょっと証明してみましょうか」


 藍子さんは、なにかとびっきりのいたずらを思いついたように言いました。

以下略 AAS



25:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:08:50.76 ID:47m1SMXJ0
「さて、そろそろお時間になってしまいましたが……その前に、告知です。ほたるちゃん、どうぞ♪」

「はい……。明日はこのラジオはお休みとなります。そのかわり、明日のこの時間、私たちのミニライブを行います。場所は、県立南高校の校庭です。明日も冷えるので、しっかりと暖かくしてお越しください」

「なんと、今回は新曲のお披露目ですっ。ぜひ来てくださいね」
以下略 AAS



26:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:09:18.57 ID:47m1SMXJ0
 藍子さんの提案は、至ってシンプルでした。
 校庭で、新曲お披露目のライブをする。
 それも、とびっきり素晴らしい最高に輝くライブを。

 ただそれだけです。
以下略 AAS



27:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:09:55.26 ID:47m1SMXJ0
 そして最大の問題は、お客さんが来てくれるかどうかです。
 そもそもこの町にまだ人がいるんでしょうか、とすら思いますが、そこに関しては藍子さんには勝算があるみたいです。

 まずひとつに、お店の品物が確かに減っているということ。
 私はただの希望的観測だと思っていたんですが、藍子さんはちゃんと確認して言っていたみたいです。
以下略 AAS



28:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:12:41.92 ID:47m1SMXJ0
 ライブをするために必要な衣装は、藍子さんが用意してくれました。
 スーパーの衣料品売り場にあった冬物の上着をリボンやフリルで装飾し、いろんな小物を散りばめた作品です。
 暗めの色の生地にスパンコールがきらめいていて、まるで星空のようです。
 藍子さんは手先が器用なので、仕上がりはプロ級にも思えます。

以下略 AAS



29:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:13:12.47 ID:47m1SMXJ0
 私たちが立つステージは、校庭に教壇を並べて作ることにしました。
 二人だとけっこう重たいので気合を入れて運ばなきゃいけません。


「こうやって、普段はなんでもないような場所が、なにか特別な場所に変わっていくのって、ちょっと不思議じゃないですか?」
以下略 AAS



30:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:13:38.40 ID:47m1SMXJ0
 ただの普通の女の子が、誰かに価値を見つけられてアイドルになる。
 きっと、これはアイドルに限った話ではありません。

 例えば、歌。
 本来ならただの音と言葉のつながりでしかないはずなのに、人の心はそこに『歌』という価値を見つけます。
以下略 AAS



31:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:14:04.59 ID:47m1SMXJ0
 藍子さんの言葉を聞いて、そんな思いつきが頭の中を駆け巡りました。
 気づけば私は、藍子さんに抱きついていました。


「わっ、ほたるちゃん、どうしたの?」
以下略 AAS



32:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:14:45.65 ID:47m1SMXJ0
 舞台の設営に関しては、私たちは素人です。
 その上、準備時間は一日半ほどの突貫工事です。
 いろいろ頑張って準備はしましたが、お世辞にもいい出来だとは思えませんでした。

 これでライブが成立するんでしょうか。
以下略 AAS



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