白菊ほたる「もう雨あがりに虹が掛かることもないんでしょうか」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:01:42.12 ID:47m1SMXJ0
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 ラジオが終わり、お昼ごはんを食べたあとは、今日は藍子さんと『買い出し』に行きます。

以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:02:08.60 ID:47m1SMXJ0
 『買い出し』と言ってもお店はもうやっていないので、お店から勝手に商品を取っていくことになります。
 緊急事態とはいえ、私も藍子さんもあまりいい気分はしません。

 なので当面のルールとして、お金をちゃんと払って出ていくということに決めました。
 なんの意味もない自己満足ですが、私たちの心を守るためには大事なことだと思います。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:02:34.73 ID:47m1SMXJ0
 この一万円札は、本当に一万円分の価値があるんでしょうか。
 もう社会も成り立っていないんだから、ただの紙切れに過ぎないんじゃないでしょうか。
 ただの紙切れよりも、新鮮な野菜や果物、お肉とかの方がよっぽど価値があるんじゃないでしょうか。
 お金を前にすると、今となってはそんなことを考えてしまいます。
 
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:03:01.18 ID:47m1SMXJ0
 帰り道。
 不安なことは一旦全部忘れて、ふたり寄り添って歩きます。
 ただ気温が低いだけで、冷たい風が吹いているわけではないというのが不幸中の幸いでしょうか。


以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:04:05.18 ID:47m1SMXJ0
 こうしてまた、私たちの一日が終わります。
 窓の外には、相変わらず満天の星空が広がっていました。
 建物の隙間からわずかに見えるあの星座は、はくちょう座でしょうか。

 日の光が無い以上、いつ空を見ても美しい星空が見えます。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:04:31.20 ID:47m1SMXJ0
 次の日。
 ラジオの生放送を終えた私は、藍子さんに連れられて歩いていました。
 どこに向かっているかはやっぱり秘密だそうです。


以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:04:57.81 ID:47m1SMXJ0
「わあ……。すごい……!」


 中に入ってみると、温泉はもくもくと湯気をあげて湧いていました。
 もうずっと寒いままなのに、どうして……?
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:05:24.41 ID:47m1SMXJ0
 二人で背中を流し合ったあと、温泉に入りました。
 源泉かけ流しで、夜景と星空を堪能できる贅沢な露天風呂です。


「これは図書室で読んだ話なんですけど、何億年も前に地球全部が凍りついてしまったことがあるそうです」
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:05:50.59 ID:47m1SMXJ0
 藍子さんは、どこまでも前向きです。
 明日のこともわからないこんな状況でも、ただ未来のことだけ見ています。
 だから、私も未来のことだけ話します。
 藍子さんに置いていかれないように。

以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:06:16.46 ID:47m1SMXJ0
 藍子さんは、星空を見上げていました。
 私もつられて見上げると、やっぱり月が輝いていました。
 日が昇らなくなってからは、この月こそが空で一番明るい星です。
 
 立ち込める湯気に遮られていてもなお、目がくらむほど眩しい光です。
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:07:23.90 ID:47m1SMXJ0
「私は……」

「……? どうしました、ほたるちゃん」

「いえ、ええと……」
以下略 AAS



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