白菊ほたる「もう雨あがりに虹が掛かることもないんでしょうか」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:01:42.12 ID:47m1SMXJ0
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 ラジオが終わり、お昼ごはんを食べたあとは、今日は藍子さんと『買い出し』に行きます。

 昨日と同じ満月が、煌々と輝いています。
 あの月が、怖い。

 もうこの惑星は死んでしまったんでしょうか。
 学校の外は張り詰めたように寒く、時が止まったみたいでした。

 それはまるで、幼い頃に想像した世界の終わりのようで。
 ふとした瞬間に、叫びだしたくなるような不安が――


「ううう、今日はいちだんと冷えますね」

「あ……、はい。そうですよね。寒いです……」


 藍子さんの声で、我に返りました。

 寒さをちょっとでもやわらげるために、藍子さんにぴったりくっついて歩きます。
 でもお互いに冬物の上着で完全に守られているので、少しも体温も感じません。ちょっとさみしいかもです。


「もう、ほたるちゃん。歩きにくいって」

「あ、ごめんなさい……。ダメでしたか?」

「ううん」


 日が昇らない以上、気温は下がる一方です。
 昨日よりも今日は、今日よりも明日は、もっと寒いでしょう。




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