207:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 02:46:47.49 ID:LS54PsoZ0
「キミのスマホケースに貼られたシールを見て、彼なりに苦心したらしい。
美優さんにこそ相応しい、などと鼻息を荒くして私に力説するものだから、何だかおかしくてね」
「プロデューサーさんが、私に……」
208:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 02:48:12.33 ID:LS54PsoZ0
――――――。
――――。
209:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 02:54:49.59 ID:LS54PsoZ0
「2部屋か。じゃあキミと、我々女性陣で」
「それはいいけどさ、ベッドは美優さんとほたるちゃんに譲ってネーサンは床で寝ろよ。寝袋あったよな?」
「な、何でですか? というかお布団では…」
「コイツすげぇ〜寝相悪いの。俺どっか一緒に旅行行った時、鼻とみぞおち蹴られたからね?」
「え、えぇぇっ?」
210:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:01:06.43 ID:LS54PsoZ0
「うおぉ、いってぇチキショウ……お前な、俺の方が1コ上なんだからな」
「それにしても……私達、本当に346プロに入るんですね」
「俺は、あのクマみたいな人と同じ部署だったかな。ネーサンはどこ?」
「経理だと聞いている。以前いた時と変わっていなければ、オフィスは3階かな」
211:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:05:57.55 ID:LS54PsoZ0
「日本語? それだと、『てんとうむし〜ず』とかになるけどいいの? ダサくない?」
「そもそも、三船君と白菊君が移転先でユニットを組むかどうかも分からないしな」
「本当に他人事(ひとごと)じゃねぇかお前」
「『てんとうむし〜ず』にされるよりはマシだと思うがな」
212:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:07:18.34 ID:LS54PsoZ0
――――!?
えっ――――。
213:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:12:40.84 ID:LS54PsoZ0
でも、私は迷わず歩き出します。
壁だと思っていたそれは、その場にひっそりと佇んだまま、微動だにしません。
214:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:14:24.81 ID:LS54PsoZ0
少女は立ち上がり、私を見ます。
――よくわかんない。
215:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:15:43.98 ID:LS54PsoZ0
――そんなこと……分かってるくらい大人だったつもりだったのに……。
――すみません。もう、構わないでいただけますか。大丈夫ですから……。
216:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:17:51.11 ID:LS54PsoZ0
とても――苦しいです。
当たり前です、抵抗しているのですから。彼女も、私も。
217:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:21:47.00 ID:LS54PsoZ0
――幸せに……なりたいに、決まってるじゃないですか。
――でも、私なんかが……
「卑下をしないで! 百円ですよ、ほらっ」
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