大石泉「気遣う心に、ちょっとだけ下心」
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5:名無しNIPPER[sage]
2018/02/27(火) 23:22:15.70 ID:A9Mm8babo


 ピピピ、という電子アラーム音が聞こえてきた。音に受けて、ほぼ条件反射的に身体をがばりと起こして、アイマスクを外した。ぴったり十分の仮眠だったが、頭がすっきりしている。ショートスリーパーの才能があるのかもなあ、なんてプロデューサーがのんびり思っていると、給湯室のほうから人の気配がした。
 誰だ、と少し身構えるが、給湯室から出てきたのはおよそ危険性から遠い少女、泉の姿だった。
 手にはお盆があり、その上には二つのカップが載っている。ほかほかと湯気が立っているのが見える。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage]
2018/02/27(火) 23:22:42.81 ID:A9Mm8babo

 一回り近く年下の少女に優しく微笑んであしらわれた。
 言い返してやろうかと思ったが、泉の笑顔が楽しそうだったので、取り止めて、頭を掻いた。掻いたときにぴょんと跳ねた髪の束を見つけて、短時間の睡眠で寝癖を作っていたことに気がついた。
 それに気がついた泉が、仕方ないなあ、と手ぐしで彼の髪をほぐした。すると、魔法のようにあっという間に寝癖が治まったので、泉の手はもしかしたら不思議な魔法がかかっているのかもしれない。
 実際としては、彼自身が朝つけてきた整髪料がまだ効いていただけだが。短時間にすぐ寝癖がついたのもこれが原因である。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage]
2018/02/27(火) 23:23:09.42 ID:A9Mm8babo

 きゃーすけべ、と泉はわざとらしい棒読みで自分を抱きしめる素振りを見せる。大人をからかっているとも思ったが、それよりも、なんとなく泉らしくない冗談だなと彼は思った。
 普段訪れることの少ない夜分の事務所に、彼と二人だけだという状況が泉を普段よりも開放的にしているのだが、そんなことを彼は知るよしもない。
 開放的にしているから、思わず本音が溢れたなんてことを知るはずがない。
 そうなってもいいかも、なんてこと。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage]
2018/02/27(火) 23:23:36.40 ID:A9Mm8babo

 ちらりと視線を送って、泉は言った。なんてわざとらしくて、分かりやすい。彼の発言を逆手に取っている。こんな時間には危ない人がいるかもしれないと、そう言ったのは彼なのだから、その発言の責任は取らないといけない。
 送っていってくれる人ではなくて、一緒に帰る人にならないといけない。
 つまりは、家にも帰らずに仕事を続けようとする彼への、泉の遠回しな気遣いだった。
 ……まったく、なんてことだ。アイドルに心配をかけていてはいけない。アイドルに心配をかけるようなプロデューサーなんて、そんな奴に誰が信頼を預けたいと思うんだ。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage]
2018/02/27(火) 23:24:04.17 ID:A9Mm8babo
ちょっと遅くなったけどいずみん恒常SSR追加おめでとうございます。


10:名無しNIPPER[sage]
2018/02/28(水) 01:22:36.95 ID:IVOV44AEo




11:名無しNIPPER
2018/02/28(水) 05:39:00.10 ID:nOYA1OL7O
乙乙


12:名無しNIPPER[sage]
2018/02/28(水) 18:55:15.30 ID:CgSpMQRlO
おつ
いいね


13:名無しNIPPER[sage]
2018/02/28(水) 20:10:58.26 ID:naOth5Vko
いいね


14:名無しNIPPER
2018/02/28(水) 22:26:47.69 ID:FSf580SJ0
序盤の方の地の文は迷走してた感あるけど、めちゃくちゃ好き…

過去作とかありますか?


15:名無しNIPPER[sage]
2018/03/01(木) 01:45:37.83 ID:ocPlc2qoo
おつおつおつ


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