大石泉「気遣う心に、ちょっとだけ下心」
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5:名無しNIPPER[sage]
2018/02/27(火) 23:22:15.70 ID:A9Mm8babo


 ピピピ、という電子アラーム音が聞こえてきた。音に受けて、ほぼ条件反射的に身体をがばりと起こして、アイマスクを外した。ぴったり十分の仮眠だったが、頭がすっきりしている。ショートスリーパーの才能があるのかもなあ、なんてプロデューサーがのんびり思っていると、給湯室のほうから人の気配がした。
 誰だ、と少し身構えるが、給湯室から出てきたのはおよそ危険性から遠い少女、泉の姿だった。
 手にはお盆があり、その上には二つのカップが載っている。ほかほかと湯気が立っているのが見える。
 ソファーの前のガラステーブルにお茶を並べて、泉はプロデューサーの隣に腰を掛けた。
 ……泉がどうしてこんな時間に?

「おはよう、プロデューサー。よく眠れた?」

「ああ、自分の有り余る睡眠の才能に少しばかり驚愕するくらいだよ」

「なに言ってるの、ばかみたいだよ?」

「な、なにおう。寝るというのは大事なことなんだぞ、睡眠の質が人生に与える影響は凄いんだぞ」

「ふふ、そうだね。凄いんだね」



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