【艦これ】加賀「幸福と空腹は似ている」
1- 20
7:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:01:01.06 ID:kd0Dc5wl0

「いらっしゃいませー、こんばんはー」

 挨拶に手を挙げて返し、わたしはコミック、週刊誌の前を通り抜けてドリンク棚、そしてそこさえも素通りしておにぎりのコーナーへと向かいました。既にカゴは用意してあります。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:02:57.06 ID:kd0Dc5wl0

 まず、いきなり変わり種を選ぶのはやめておきましょう。ここでの選択は食事の土台を構築します。熟達者ならまだしも、いまのわたしはあまりにも素人。変に手を出せば、上物ごと崩壊する危険性さえ孕んでします。
 よって、わたしは鮭とおかかを手に取りました。

 しかし、ここで不測の事態。お弁当が棚の下に並んでいたのです。とはいえ、この時間帯ですから種類はあまりありません。カレーと、幕の内、あとからあげ弁当。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:04:22.76 ID:kd0Dc5wl0

 あとはここをベースとしてコースを組み立てていけばいいのです。おにぎりをカゴにいれた途端、それまで無数にあった道筋が、いくつかの有能な道だけを残して消えていくのがわかりました。
 牛乳や紅茶はお米には合いません。よってオーソドックスなお茶を、しかし夜なのでカフェインの入っていない麦茶を選びます。

 アイスの冷凍庫……は最後にしましょう。今選んでも溶けてしまうだけですから。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:04:49.96 ID:kd0Dc5wl0

 えぇい、ままよ。小倉マーガリンのコッペパンをカゴに入れて、続いてプリンも叩き込みます。せめて薄目で見るにとどめて、せめてもの現実逃避。
 しかしそうなると甘いものの割合が多い気がしてきます。甘い、しょっぱい、甘い、しょっぱい……魅惑のメリーゴラウンド。ここまできてその取り合わせを崩すことは、食の楽しみを自ら打ち捨てるようなもの。愚行です。最後にアイスも待っているのですから。
 バランスをとるためにはしょっぱいものもあと一つか二つ、必要でしょう。

以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:05:16.61 ID:kd0Dc5wl0

 そうなると汁物が俄然欲しくなってきます。ぐるりと棚を回って反対側へ、インスタントのラーメンが並んでいるその隣、カップスープの中から豆腐とわかめの御味噌汁を確保。
 ラーメンなどのこってり系よりは、こういったあっさり系でしょうか。他に食べ物もあることですし。

 そのままアイスのコーナーへ凱旋。少し奮発して、横文字の長い名前のものを。食べたいと思ったものを我慢するのは、ここに至っては罪悪でしょう。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:05:53.31 ID:kd0Dc5wl0

「あ、あと、アメリカンドッグをひとつ」

「かしこまりましたー」

以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:06:24.65 ID:kd0Dc5wl0

 * * *

「やりました」

以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:06:56.67 ID:kd0Dc5wl0

「赤城は」

「寝ていました。明日が早いそうです」

以下略 AAS



15:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:07:23.04 ID:kd0Dc5wl0

 前々からずれているところがあるというか、マイペースな女だと思っていたが――そう、こいつは寡黙なのではなく、弩級にマイペースなだけだということを最近知った――加賀自身がそれに引っ張りまわされているようなきらいがある。

 剥き終ったおにぎりが差し出される。
 
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2018/02/09(金) 00:07:51.68 ID:kd0Dc5wl0

 加賀本人は、どうしたのだろう、残り三分の一ほどとなったアメリカンドッグを矯めつ眇めつしていた。

「当たりでもあったか」

以下略 AAS



21Res/12.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice