235:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:31:30.76 ID:ZdvxIxQI0
「自分以外の人に対して無関心すぎるとこだろ」
「そんなこと……」
236:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:32:54.54 ID:ZdvxIxQI0
表面上は気さくな雰囲気で、でも、佑希は自分のことを一切話さないだろうし。
部活も学校生活も全般的にストイックで、家での姿を見せることなんてほぼないだろう。
友達はいる。けれど、べつに仲を深めたいわけではない。
237:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:33:36.89 ID:ZdvxIxQI0
「……」
「あの子以外のことを見てるのか見てないのかわかんない。
ってあたしがそう思うんだから、あの子のことを知らない周りの人はもっとそうなんじゃない」
238:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:34:30.29 ID:ZdvxIxQI0
「ああもう! そういうところなの!」
「どういうところだよ」
239:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:35:44.60 ID:ZdvxIxQI0
「普段はそういうことに全然興味ないですって澄ました態度なくせに、
奈雨が絡んだ途端に頭の中がお花畑になるのは、まあ、わかりやすくていいけどさ」
「……」
240:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:36:38.14 ID:ZdvxIxQI0
「ああ。……なんだ。俺も、ちょっとずつ頑張ってみようかなって」
単純なことだけど、と付け加えると、すぐに彼女は首を横に振る。
そんなことないよ、とでも言いたげに。それは一方では合っていて、もう一方では間違っているように思えた。
241:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:37:31.55 ID:ZdvxIxQI0
「それってさ、あたしがおにいのライバルってことだよね?」
「……ああ。まあ、そうなるな」
242:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:37:59.10 ID:ZdvxIxQI0
つーか、そもそもの話だけどライバルって俺程度でいいのか。
「ん? どうしたの?」
243:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:38:25.57 ID:ZdvxIxQI0
そうしてしばらくお互い無言でいたが、
やがて、佑希はふいっと目を逸らしてソファの方に歩いて行き、読んでいたらしい文庫本とスマホを手に持ち、こちらへと戻ってくる。
「ごめん。ちょっと疲れたから部屋戻るね」
244:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:39:13.53 ID:ZdvxIxQI0
【任せました】
時間より少し早く待ち合わせの場所に向かうと、すでに奈雨と零華がそこで待っていた。
零華は俺の姿を捉えるとすぐにいえいとピースサインを作って微笑み、近くまで駆け寄ってくる。
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