240:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:36:38.14 ID:ZdvxIxQI0
「ああ。……なんだ。俺も、ちょっとずつ頑張ってみようかなって」
単純なことだけど、と付け加えると、すぐに彼女は首を横に振る。
そんなことないよ、とでも言いたげに。それは一方では合っていて、もう一方では間違っているように思えた。
「今まではそれが最善だと思って、いろいろ曲げることもあったけど、……結局周りばかり見てても仕方ないんだよな」
あれこれ理屈をこねても、つまりは自分が信じられなかっただけで、自信はどうにかして付けていくしかない。
どうせどこまでいっても付かないことが分かっていても、力を積み重ねる姿勢くらいは持っておきたい。
それに、と気が付けば口にしていた。
「いつまでも佑希に負けてもいられない」
「……え?」
呆けたような声を返すとともに、怪訝な目でこちらを見て、
「おにいらしくない……」
と佑希はぼやく。
が、すぐに何かに合点がいったのかうんとひとつ頷いた。
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