230:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:26:21.89 ID:ZdvxIxQI0
「あたしも、もうちょっとだけでも苦手なことをがんばろうって思っちゃった」
佑希の苦手なこと、というのがいまいちしっくりこなくて、つい微妙な表情をしてしまった。
すると彼女は、「あー」という形に口を開けて、遠慮がちに笑った。
231:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:27:04.44 ID:ZdvxIxQI0
「……冗談だろ?」
「なわけないじゃん。嘘ついたって意味ないし」
232:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:28:26.10 ID:ZdvxIxQI0
「この前さ、これからどうするのかって、おにい聞いてきたよね。
あのときからさっきまでずっとそのことを考えてた。だから、今の話だけはちゃんと知っててほしかったの」
「そうか」
233:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:29:06.23 ID:ZdvxIxQI0
「……俺は、何に対しても頑張ってる佑希のことが好きだし、普段の抜けてる姿もそれはそれでいいと思ってる。
今までのあり方を変えても、変えなくても、これからも佑希のことを応援してるし、大切な妹だってことは変わらない」
佑希と同じように、俺も考えていたことがあった。
234:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:29:44.42 ID:ZdvxIxQI0
「なに、どうしたの」
「……あたし、今のままでもいいの?」
235:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:31:30.76 ID:ZdvxIxQI0
「自分以外の人に対して無関心すぎるとこだろ」
「そんなこと……」
236:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:32:54.54 ID:ZdvxIxQI0
表面上は気さくな雰囲気で、でも、佑希は自分のことを一切話さないだろうし。
部活も学校生活も全般的にストイックで、家での姿を見せることなんてほぼないだろう。
友達はいる。けれど、べつに仲を深めたいわけではない。
237:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:33:36.89 ID:ZdvxIxQI0
「……」
「あの子以外のことを見てるのか見てないのかわかんない。
ってあたしがそう思うんだから、あの子のことを知らない周りの人はもっとそうなんじゃない」
238:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:34:30.29 ID:ZdvxIxQI0
「ああもう! そういうところなの!」
「どういうところだよ」
239:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:35:44.60 ID:ZdvxIxQI0
「普段はそういうことに全然興味ないですって澄ました態度なくせに、
奈雨が絡んだ途端に頭の中がお花畑になるのは、まあ、わかりやすくていいけどさ」
「……」
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