230:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:26:21.89 ID:ZdvxIxQI0
「あたしも、もうちょっとだけでも苦手なことをがんばろうって思っちゃった」
佑希の苦手なこと、というのがいまいちしっくりこなくて、つい微妙な表情をしてしまった。
すると彼女は、「あー」という形に口を開けて、遠慮がちに笑った。
「おにいはあたしのこと過大評価しすぎ」
「そうかな」
「そうだよ。あたしだってできないことばっか。いつも自分にできることをできると思った範囲でしてる。
もともとできることの広さとか多さで言ったら絶対おにいの方がすごいと思うし、あたしは全然すごくないよ」
だって、と佑希は言葉を続ける。
「おにいはずっと昔からあたしの憧れなんだよ」
言って、佑希はふーっと気を取り直すような息をつき、ソファの背もたれに腕を乗せて振り返る。
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