229:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:25:41.02 ID:ZdvxIxQI0
奇妙な沈黙が流れる。
佑希は感情を押し止めるように、俯いていた顔を上げ、自分の肩を抱いている手をそっと下へと移す。
小さく息をつき、また俺の方に向き直って、
「今日ね、あたしも見に行ったんだ」
と微笑み混じりに言う。
「……奈雨のこと?」
「うん。人前に出るのとか苦手だと思ってたから、ちょっと気になって」
「そっか」
「……これは間違ってないよね?」
「合ってるよ。奈雨もそう言ってた」
頷くと、佑希はそこで言葉を選ぶように一拍間を置いた。
「なんか、すごいなって思った。苦手なことでも、その、逃げてないなって。
遠くから見てても緊張してるのが伝わってきたけど、でも、最後までまっすぐやりきってた」
そういうふうに思ってなかったから、本当にすごいなって思った。
341Res/257.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20