228:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:24:54.27 ID:ZdvxIxQI0
「俺に連絡したからそれでいいと思ったんじゃない」
「……まあ、うん。わかってるよそのくらい」
229:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:25:41.02 ID:ZdvxIxQI0
奇妙な沈黙が流れる。
佑希は感情を押し止めるように、俯いていた顔を上げ、自分の肩を抱いている手をそっと下へと移す。
小さく息をつき、また俺の方に向き直って、
230:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:26:21.89 ID:ZdvxIxQI0
「あたしも、もうちょっとだけでも苦手なことをがんばろうって思っちゃった」
佑希の苦手なこと、というのがいまいちしっくりこなくて、つい微妙な表情をしてしまった。
すると彼女は、「あー」という形に口を開けて、遠慮がちに笑った。
231:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:27:04.44 ID:ZdvxIxQI0
「……冗談だろ?」
「なわけないじゃん。嘘ついたって意味ないし」
232:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:28:26.10 ID:ZdvxIxQI0
「この前さ、これからどうするのかって、おにい聞いてきたよね。
あのときからさっきまでずっとそのことを考えてた。だから、今の話だけはちゃんと知っててほしかったの」
「そうか」
233:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:29:06.23 ID:ZdvxIxQI0
「……俺は、何に対しても頑張ってる佑希のことが好きだし、普段の抜けてる姿もそれはそれでいいと思ってる。
今までのあり方を変えても、変えなくても、これからも佑希のことを応援してるし、大切な妹だってことは変わらない」
佑希と同じように、俺も考えていたことがあった。
234:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:29:44.42 ID:ZdvxIxQI0
「なに、どうしたの」
「……あたし、今のままでもいいの?」
235:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:31:30.76 ID:ZdvxIxQI0
「自分以外の人に対して無関心すぎるとこだろ」
「そんなこと……」
236:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:32:54.54 ID:ZdvxIxQI0
表面上は気さくな雰囲気で、でも、佑希は自分のことを一切話さないだろうし。
部活も学校生活も全般的にストイックで、家での姿を見せることなんてほぼないだろう。
友達はいる。けれど、べつに仲を深めたいわけではない。
237:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:33:36.89 ID:ZdvxIxQI0
「……」
「あの子以外のことを見てるのか見てないのかわかんない。
ってあたしがそう思うんだから、あの子のことを知らない周りの人はもっとそうなんじゃない」
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