森久保乃々「さよなら、森久保」
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80:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:36:30.60 ID:QxgIwWOp0

 キノコさんが隣から私の元へと駆けつけたのは読み始めてすぐのことでした。

「大丈夫か? ボノノさん、緊張とかしていないか?」

以下略 AAS



81:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:37:11.02 ID:QxgIwWOp0

 やがて、キノコさんが隣の机に帰る頃には、抱いた怒りの感情は煙のように消えていて、
 代わりに、後悔や罪悪感が私の心に渦巻いていました。

 キノコさんに悪意がないことはわかっています。
以下略 AAS



82:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:38:06.21 ID:QxgIwWOp0

 それからは一人、机の下で、昨日書いた文章を思い出しながら、
 罪の告白のようなものを繰り返しました。

 思い出されるは、様々な人の視線と笑顔。それに対しての自分の反応。  
以下略 AAS



83:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:40:28.61 ID:QxgIwWOp0

 永遠にも思えた懺悔の時間も無情に過ぎていき、やがて、プロデューサーさんが私を迎えに来ました。

「おはよう森久保、調子はどうだ?」
「帰りたいんですけど……」
以下略 AAS



84:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:41:42.45 ID:QxgIwWOp0

 ライブ会場へと着くといよいよ息が苦しくなっていき、あいさつ回りが終わるころには、

「大丈夫か、森久保」
 
以下略 AAS



85:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:42:56.84 ID:QxgIwWOp0

「そんなに屁理屈が言えるなら大丈夫そうだな。……って本当に少し顔色悪いな。大丈夫か? 
 まだ本番まで時間あるし、風邪薬貰ってこようか?」
 
 プロデューサーさんが心配そうに覗き込みます。
以下略 AAS



86:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:43:59.96 ID:QxgIwWOp0

 ここ以外にどこで見つめるんだと笑うプロデューサーさんの顔を、
 私は、一世一代のにらめっこをする気で、それこそ心の中で大きく息を吸ってから、見つめました。
 
 プロデューサーさんは、私と初めて出会った時と同じ、真剣な眼差しで私のことを見ていました。
以下略 AAS



87:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:45:31.32 ID:QxgIwWOp0

 それからまもなく、イベントが始まりました。
 私は、他のアイドルやプロデューサーに紛れ込んで、控室から映像越しに、ライブの様子を見ました。
 控室には緊張した空気が張りつめていました。
 
以下略 AAS



88:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:46:33.43 ID:QxgIwWOp0

 しばらく進行すると、いかにも内気そうなアイドルの子が、
 あまりの緊張ゆえにステージ上で震えながら、涙を流してしまうというハプニングが起こりました。

「○○ちゃん、大変そう、頑張って」
以下略 AAS



89:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:47:06.96 ID:QxgIwWOp0

 私達に、あの子の苦悩がわかるでしょうか。

 あの子が泣いているから、失敗しているから、私たちも失敗して大丈夫だと、笑っている。

以下略 AAS



90:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:49:20.92 ID:QxgIwWOp0

 施設内を放浪し、ステージ会場から遠く離れた果ての場所に、
 誰にも使われていなさそうなベンチを見つけ、私はそこで時間が経つのを待ちました。

 ライブ当日に離れのようなこの場所に来る人は、私くらいで、人の目はありませんが、
以下略 AAS



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