78:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:29:34.64 ID:QxgIwWOp0
「乃々ちゃん今日のライブ頑張って」
社交辞令のような声援をかけてくるアイドルの先輩方に、
「ありがとうございます」
79:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:34:54.68 ID:QxgIwWOp0
事務所ではたくさんの人がライブに向けての来る準備をしていました。
アイドルとプロデューサー。
80:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:36:30.60 ID:QxgIwWOp0
キノコさんが隣から私の元へと駆けつけたのは読み始めてすぐのことでした。
「大丈夫か? ボノノさん、緊張とかしていないか?」
81:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:37:11.02 ID:QxgIwWOp0
やがて、キノコさんが隣の机に帰る頃には、抱いた怒りの感情は煙のように消えていて、
代わりに、後悔や罪悪感が私の心に渦巻いていました。
キノコさんに悪意がないことはわかっています。
82:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:38:06.21 ID:QxgIwWOp0
それからは一人、机の下で、昨日書いた文章を思い出しながら、
罪の告白のようなものを繰り返しました。
思い出されるは、様々な人の視線と笑顔。それに対しての自分の反応。
83:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:40:28.61 ID:QxgIwWOp0
永遠にも思えた懺悔の時間も無情に過ぎていき、やがて、プロデューサーさんが私を迎えに来ました。
「おはよう森久保、調子はどうだ?」
「帰りたいんですけど……」
84:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:41:42.45 ID:QxgIwWOp0
ライブ会場へと着くといよいよ息が苦しくなっていき、あいさつ回りが終わるころには、
「大丈夫か、森久保」
85:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:42:56.84 ID:QxgIwWOp0
「そんなに屁理屈が言えるなら大丈夫そうだな。……って本当に少し顔色悪いな。大丈夫か?
まだ本番まで時間あるし、風邪薬貰ってこようか?」
プロデューサーさんが心配そうに覗き込みます。
86:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:43:59.96 ID:QxgIwWOp0
ここ以外にどこで見つめるんだと笑うプロデューサーさんの顔を、
私は、一世一代のにらめっこをする気で、それこそ心の中で大きく息を吸ってから、見つめました。
プロデューサーさんは、私と初めて出会った時と同じ、真剣な眼差しで私のことを見ていました。
87:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:45:31.32 ID:QxgIwWOp0
それからまもなく、イベントが始まりました。
私は、他のアイドルやプロデューサーに紛れ込んで、控室から映像越しに、ライブの様子を見ました。
控室には緊張した空気が張りつめていました。
88:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:46:33.43 ID:QxgIwWOp0
しばらく進行すると、いかにも内気そうなアイドルの子が、
あまりの緊張ゆえにステージ上で震えながら、涙を流してしまうというハプニングが起こりました。
「○○ちゃん、大変そう、頑張って」
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