70:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:00:23.59 ID:QxgIwWOp0
「そうか……じゃあ今日はレッスンやめるか」
「へっ? いいんですか?」
「いいけど、トレーナーさんには森久保が自分で言ってくれよ。
71:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:03:45.10 ID:QxgIwWOp0
今になって思い返すと、この一連のかくれんぼは、親元を離れ、甘えたいのに甘えられない、
私、森久保乃々の、ひねくれた甘えアピールのようなものだと認識されていたように思います。
しかし、先ほども書きましたが、このかくれんぼは、私の逃避かつ主張の手段でした。
72:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:05:03.66 ID:QxgIwWOp0
「行きたくないんですけど。嫌なんですけど……」は森久保の求愛の手段でも、冗談でもなく、
私の心からの叫び、悲鳴でした。
73:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:06:35.15 ID:QxgIwWOp0
しかしながら、かくれんぼの回数が増え、レッスン量が増えても、
誰も私の悲鳴には気づいてくれませんでした。
(それどころかみないっそう、森久保に対する誤解が深まっていったように思えます)
74:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:09:19.05 ID:QxgIwWOp0
ライブまで二週間を切ると、みんなが、「ライブ頑張って」と私に声をかけ、
私は、嫌なんですけど、と心の中で叫びながら、森久保の笑顔を作り、
75:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:13:00.68 ID:QxgIwWOp0
その笑顔に何も言い返すことが出来ず、何が大丈夫なのだと、ひとり不安と恐怖を抱えていると、
いよいよライブ前日の夜になってしまい、逃げ場のなくなった私は、ノートを開き、
こうして自らを告白するような文章を書くことで、
いかに自分がライブを嫌がっているか、アイドルに向いていないのかを正当化させようとしているのです。
76:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:14:24.90 ID:QxgIwWOp0
◇◇◇◇
◇◇◇◇
77:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:16:45.43 ID:QxgIwWOp0
暗闇の中、意識がやってきて、
私は、すぐさま、ついに来てしまったと、今日という日を呪いました。
目を開くと一日が始まってしまう気がして、開くのをうんうんと躊躇ってみたのですが、
78:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:29:34.64 ID:QxgIwWOp0
「乃々ちゃん今日のライブ頑張って」
社交辞令のような声援をかけてくるアイドルの先輩方に、
「ありがとうございます」
79:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:34:54.68 ID:QxgIwWOp0
事務所ではたくさんの人がライブに向けての来る準備をしていました。
アイドルとプロデューサー。
80:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:36:30.60 ID:QxgIwWOp0
キノコさんが隣から私の元へと駆けつけたのは読み始めてすぐのことでした。
「大丈夫か? ボノノさん、緊張とかしていないか?」
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