115: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 15:54:23.10 ID:tFR3WIer0
「いや、私は化粧っ気というものが無いからな」
なんだ、そういう事か。
確かにまほは、全く化粧をしない訳じゃないけれど、私ほど時間を掛けない。だからそのぶん私より支度が早く済むので、一緒に出掛ける時はこうやって待たせてしまう。
116: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 15:55:25.79 ID:tFR3WIer0
「千代美の変身を見るのは楽しい」
「あはは、変身か」
それこそまほじゃないけど、家事をやってる時は私だって化粧っ気が無いからな。よそ行きの顔になるのは、確かに変身だ。
117: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 15:56:39.33 ID:tFR3WIer0
対して、まほは何も言わない。『んん』すら無いのは妙だなと思って、ちらりと横に目を遣ると、まほが俯いていた。
髪で顔が隠れて見えないので、どうしたんだろうと覗き込むと、見事に真っ赤になっている。
驚いて、熱でもあるのかと声を掛けた。
118: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 15:57:53.23 ID:tFR3WIer0
おわり
119: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 22:48:10.98 ID:tFR3WIer0
もう一丁
120: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 22:53:35.12 ID:tFR3WIer0
【まほ】
いつもより少しだけ長い千代美の化粧が終わり、いざ出発。
121: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 22:54:33.42 ID:tFR3WIer0
千代美は一瞬だけ驚いたような顔をして、そのあと、にへらと笑った。
「何だ」
「まほ、優しい」
122: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 22:55:15.94 ID:tFR3WIer0
「嬉しいなー」
繋いだ手をぶんぶんと振る千代美。
考えてみれば、私が嫌がっていた頃から千代美はずっと手を繋ぎたがっていたのだ。私の方から彼女の手を引くことは、彼女にとって特別な事なのだろう。
123: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 22:56:06.51 ID:tFR3WIer0
「あれっ、ミカじゃん」
「おや、お二人さん。お出掛けかい」
ついてないなあ、とぼやく。という事は私達、というか私達の家に用があったという事か。
124: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 22:57:34.10 ID:tFR3WIer0
さておき。千代美は、仕方ないなー等と言いながらごそごそと鞄を漁り、弁当箱を取り出した。
ちょっ、それは。
「これ、良かったら」
125: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/08(月) 22:59:31.12 ID:tFR3WIer0
「済まないね、ありがとう。恩に着るよ」
サンドイッチを受け取ったミカは、私の落ち込みようを見てか、逃げるように立ち去った。
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