26:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:09:51.08 ID:GlK7P5xA0
……
「何度も見返したつもりですが……」
結論から言うと、本音しか喋れなくなる飴なんてものは存在しなかった。
27:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:10:54.36 ID:GlK7P5xA0
ただし、あくまで可能性止まりの小さな希望である。
結局のところ、確証を得るためには本人を問い質すしかないのだろう。
「何にせよ、もう一度話をしないとな」
28:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:13:06.44 ID:GlK7P5xA0
……
夢を見ていた。
広い広い空間に、ただ一人立ち尽くしている夢。
29:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:14:45.56 ID:GlK7P5xA0
脳の覚醒に伴い、背後の存在を感じ取る。
「っ……なんで居るのよ、ガヴリール、ヴィネット」
千里眼の妨害に加え、望まぬ来客を防ぐためにも結界を展開していたはずだったのに。
30:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:15:48.22 ID:GlK7P5xA0
「やっと起きたか」
「おはよ、サターニャ」
いつもと変わらない挨拶だった。
31:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:16:55.76 ID:GlK7P5xA0
……
「……ラフィが堕天する?」
「そんな素振りは見せなかったけど、いつの間に……」
32:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:17:58.72 ID:GlK7P5xA0
「……だからって、悠長にはしてられないのよ」
長引けば長引くほど、ラフィエルへの影響は大きくなるのだから。
「あいつの性格は知ってるでしょ……他にもっといい方法があったの……?」
33:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:19:02.17 ID:GlK7P5xA0
枯れかけていた涙が再び溢れ出す。
心の底からの懇願だった。
「……すまん、サターニャ」
34:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:20:33.54 ID:GlK7P5xA0
ガヴちゃん、ヴィーネさんに酷い態度を取ったサターニャさん。
そのあまりの暴挙に、私は怒りを込めた視線をぶつけてしまった。
こんなのサターニャさんじゃない。私の中のサターニャさんの姿を崩さないで、と。
35:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:22:50.19 ID:GlK7P5xA0
「うっ……くっ……ぐすっ……」
「良かった……! 私が見てきたサターニャさんはっ……!」
偽りの姿ではなかった。
36:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:24:54.45 ID:GlK7P5xA0
これが恐れていた事態だった。
今すぐにでも、なんとかここから突き放す方法を考えなければいけないのに。
「私だって……私だって離れたくなんてない……!」
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