エンド・オブ・オオアライのようです
1- 20
471: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/06/27(水) 23:30:49.61 ID:7h7NQTE30
《退避急げぇ!!》

『ゴォアッ!!』

車内から転がり出た2号車の三人が殆ど飛び跳ねるようにして散開し終えたのは、ホ級の主砲が火を噴くコンマ一秒前。旧式とはいえ軽巡洋艦の艦砲射撃数発が一斉に直撃して無事で済むほど、ヒトマルの装甲は分厚くない。轟音と共に車体が爆発し、砕け散った残骸がアスファルトの上でカラカラと乾いた音を立てる。
以下略 AAS



472: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/06/27(水) 23:31:42.27 ID:7h7NQTE30
周囲の士官が、必死の形相で口々に撤退を具申してくる。さっきまでは寧ろ深海棲艦の攻勢に怯む私達を叱咤する側だった大隈二曹さえ、小銃を撃つ手を止めないながら疲労と諦観を宿した目でこちらを顧みる。

実際、この現状を鑑みればその具申は無理からぬことだ。元々限界ギリギリの中で消耗戦を強いられていた各拠点は、頼みの綱だった相互の連携を敵の戦場全域に対する圧倒的な火力投射で寸断され孤立し、敵の物量浸透にまともに抵抗する術を失った。この拠点単体で見ても、戦力の摩耗具合は疾うの昔に戦線維持の臨界点を超えている。

優れた指揮官ならば、きっと大隈二曹達の進言に従うべきなのだろう。少なくとも、この有様で尚“戦力の集結と敵艦隊の撃滅”という目的に固執し更に損害を重ねるようなら、それは典型的な“愚かな指揮官”であるに違いない。
以下略 AAS



473: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/06/27(水) 23:36:07.54 ID:7h7NQTE30
「なっ……」

ノハメ;゚听)「一尉、正気ッスか!?」

戦闘の真っ最中───それも、全滅間際の悪あがきに近い悪戦苦闘の中で、銃撃の手を止めるような愚は流石に誰も犯さない。それでも、私の言葉を聞いた隊員達は口々に驚愕と怒りが入り交じった声を上げる。
以下略 AAS



474: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/06/27(水) 23:37:10.17 ID:7h7NQTE30
………だから、“完全な”嘘ではない。単に、そのような状況をここから私達で作り出すことが、砂漠で一発のBB弾を探し当てるのと同じぐらい困難になっているというだけの話で。

それでも、私達は……私達自衛隊は、その奇跡のような可能性に賭けなければいけないのだ。

銃後の国民を、守るために。
以下略 AAS



475: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/06/27(水) 23:45:52.23 ID:7h7NQTE30




一つ、“正直な話”をしなければならない。
以下略 AAS



476: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/06/28(木) 00:15:04.67 ID:E0wWjTsW0
「大貫郵便局前より残存部隊が合流しました!パンツァーファウスト3は六門が残存!」

「速やかに射撃を開始!奴らは密集しているわ、撃てば当たる!!」

「蝶野一尉、加波山神社方面で陸地側からの砲煙を複数確認!恐らくキューマル数両のものと思われます!」
以下略 AAS



477:名無しNIPPER[sage]
2018/06/28(木) 06:31:32.40 ID:IiUbyqaAO



478:名無しNIPPER[sage]
2018/06/28(木) 11:33:04.25 ID:L7WQmd0K0
投下乙!


479:名無しNIPPER[sage]
2018/06/28(木) 16:42:07.70 ID:w+RGE5rA0
おつおつ
周辺でこれなら艦内はどんだけ…


480:名無しNIPPER[sage]
2018/06/28(木) 21:32:29.84 ID:W/j38pzo0
おつー


481: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/06/28(木) 23:07:12.12 ID:E0wWjTsW0
ブチュリ。その音をもし擬音で表現するなら、きっとこんな文字列になるんじゃないかしら。

砲声とも、爆発音とも質感の異なる、この場においてはあまりにも浮いた響き。無線すらまともに通らないほどの轟音が飛び交う中にあっても、それははっきりと私たちの耳に届いた。

「………何が」
以下略 AAS



628Res/562.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice