471: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/06/27(水) 23:30:49.61 ID:7h7NQTE30
《退避急げぇ!!》
『ゴォアッ!!』
車内から転がり出た2号車の三人が殆ど飛び跳ねるようにして散開し終えたのは、ホ級の主砲が火を噴くコンマ一秒前。旧式とはいえ軽巡洋艦の艦砲射撃数発が一斉に直撃して無事で済むほど、ヒトマルの装甲は分厚くない。轟音と共に車体が爆発し、砕け散った残骸がアスファルトの上でカラカラと乾いた音を立てる。
『『『ォオオオオォオアアアアアッ!!!』』』
最後の装甲戦力の沈黙によって、完全に私達の側の脅威は排除されたと判断したのだろうか。再度雄叫びを上げた正面艦隊が、一斉に前進を開始した。
巨人が全体重をかけて地面を踏みしめるズンッ、ズンッという音が、ゆっくりと此方に近づいてくる。総重量数トンの化け物が足並みを揃えて歩を進めるせいで、視界が小刻みに揺れ89式小銃の照準がぶれ、弾丸が狙っているハ級の身体のあちこちで火花を散らす。
全く、人生とは解らないものね。軍靴の足音どころか、“軍艦の足音”なるワケの解らないものを体験することになるなんて、自衛隊に入って間もない頃思っても見なかったわ。
「一等陸尉、敵艦隊が前進を開始!恐らく我々の方面でも本格的な内陸浸透に移るつもりと思われます!!」
ノハメ;゚听)「LAVもヒトマルも96式もダスターも全部やられた!迫撃砲や無反動砲も六割方を喪失、残った仲間も現在進行形でどんどん砲撃に吹き飛ばされていってる!
一尉、もう無理っスよ!!」
「増援に向かってきているはずの友軍部隊との通信もまともに繋がりません!これ以上ここでの継戦は不可能ですし、意味もありません!」
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