エンド・オブ・オオアライのようです
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481: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/06/28(木) 23:07:12.12 ID:E0wWjTsW0
ブチュリ。その音をもし擬音で表現するなら、きっとこんな文字列になるんじゃないかしら。

砲声とも、爆発音とも質感の異なる、この場においてはあまりにも浮いた響き。無線すらまともに通らないほどの轟音が飛び交う中にあっても、それははっきりと私たちの耳に届いた。

「………何が」

『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!?!』

士官の一人が口にしようとした疑問への答えは、すぐに甲高い絶叫によって示される。

『ア゛ア゛ア゛、イ゛ア゛、グァアアアアッ!!!!?』

軽巡ホ級の内一隻が、周囲の味方艦に身体をぶつけて暴れ始める。そのホ級は右手の肘から先が吹き飛ばされ、辺りに奴ら特有の青く生臭い体液をまき散らしながら激しく悶え苦しんでいた。

普段人間に対する殺意と憎悪で突き動かされている深海棲艦も、痛覚はあり苦痛も感じる。人間に置き換えれば、自分の四肢の一つが引きちぎられたと考えればどれほどの激痛かは想像に難くない。

『アアア…ギィッ!?』

『ア゛ア゛ッ!?』

『グゴァッ!?』

眼前の友軍艦を突然襲った異常事態に動きを止めたイ級の横っ面で、炎がはじけ装甲の一部が砕け散る。間髪を入れず、今度は最前列にいたト級の右頭側頭部で爆発が起きる。爆風に煽られて横倒しになったト級に押し潰され、ハ級が一声苦しげな鳴き声を上げた。

「一体何事ですか!?どこからこれほどの威力の攻撃が……」

「敵艦隊、損傷艦多数発生し進軍停止!友軍による支援攻撃と思われます!」

ノハメ;゚听)「んなもんは解るッスよ!問題はそれがどっからって話で……うぉっ!?」

『『『ギィイイイイイイイイイッ!!!?』』』

今度は、敵艦隊の中程で立て続けに爆炎が起きる。十隻を優に超える個体が身体に何らかの損傷を受けて苦痛にのたうつ中、“何か”の影が凄まじい速度で私たちの真上を通過していく。

深海棲艦が奏でる“ジェリコのラッパ”とも、空母艦娘の子達が操る零戦や烈風の物とも質を異にする、私たちが聞き慣れた音────ジェットエンジンの駆動音を伴って。


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