小日向美穂「空と風と恋と山と街と狸と人と」
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98: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:20:58.89 ID:Qezuh/qr0

 和菓子を巡ってわちゃわちゃしだす狸を尻目に、美穂と蘭子が駆け出した。
 蘭子が海老原さんの縄をほどき、美穂はご両親の檻へ飛びつく!

「女神よ、今こそそなたを封じ込める呪縛を解かん!」
以下略 AAS



99: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:21:34.47 ID:Qezuh/qr0

「はいっ! 蘭子ちゃん、ぱーす!!」

「ふゎわ、運命の邂逅と継承せし飛翔の魔術!?」
(訳:初めまして……って言ってる場合じゃなくて!)
以下略 AAS



100: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:22:20.76 ID:Qezuh/qr0

「座敷の揺れ方が変ですね。ガス欠が近いんじゃないかしら――美穂ちゃん、急いで!」
「は、はい!!」

「ならん! 逃がすわけにhぬわーっ!!」
以下略 AAS



101: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:22:59.47 ID:Qezuh/qr0


 誰が意図したものでもなかった。
 空中座敷がガス欠を起こしかけ、狸が慌てて燃料補給し、茶釜エンジンが息を吹き返したその揺れだった。

以下略 AAS



102: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:23:46.92 ID:Qezuh/qr0


 俺はその時、もう何も考えていなかった。


以下略 AAS



103: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:24:17.38 ID:Qezuh/qr0

 美穂の手を掴み取り、抱き寄せる。
 ギリギリで間に合った。

 だが既に、俺の体を支えるものも何も無い。
以下略 AAS



104: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:24:49.83 ID:Qezuh/qr0

 腕の中の美穂は気を失っているようだった。
 こっちも遠くなりかけた意識を繋ぎとめる。

 絶対に背中から落ちようと思った。
以下略 AAS



105: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:25:17.14 ID:Qezuh/qr0


 ――――プロデューサーさん?


以下略 AAS



106: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:25:45.88 ID:Qezuh/qr0


 その時、横合いからものすごい突風が吹きました。

 風は鋭く冷たくて、私達二人を更にもみくちゃにします。
以下略 AAS



107: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:26:30.51 ID:Qezuh/qr0

 狸の「化学(ばけがく)」は、他者に己の姿を見誤らせ、脅かす技術の総称。
 ある権威が言うには「身体の全組織組み替えの驚異」であり、ただの擬態とは一線を画す「変身」を実現する奇妙奇天烈の御業です。
 究めれば狸から人になるにも、物になるにも他の動物になるにもまさに自由自在。

以下略 AAS



108: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:27:04.74 ID:Qezuh/qr0


 だから卯月ちゃん、響子ちゃん。

 どうか、私達に翼をください。
以下略 AAS



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