104: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:24:49.83 ID:Qezuh/qr0
腕の中の美穂は気を失っているようだった。
こっちも遠くなりかけた意識を繋ぎとめる。
絶対に背中から落ちようと思った。
狸の姿ならそんなに重くない。俺の体がクッションになって、美穂だけは助かるかもしれない。
だからせめて変化だけは解かせたいのだが。
「美穂、起きろ! 狸に戻るんだ! 美穂っ!」
と言いたいのだが、落ちながら喋った経験が無いのでちゃんと話せているかわからない。
俺はどうなったっていい。
けど、この子だけは助からなくちゃいけない。
遥か下の街々を見下ろしながら、腕の中の温もりを強く抱き寄せた。
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