2: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 01:53:25.12 ID:QUXWsklw0
彼女はあたしの右手を掴んで無理やり自身のお山に押しつけた。
普段あんなにも求めていた感触なのに、いつも通り柔らかくて温かいのに。
何故だろう、今すぐ手を離したくて仕方ない。
3: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 01:55:13.04 ID:QUXWsklw0
「起きてくだしゃい、愛海ちゃん」
聞き慣れた声で目が覚める。
あたしは事務所の休憩室にあるソファーで眠っていた。
4: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 01:56:17.17 ID:QUXWsklw0
「んーっとね」
夢は見た。
まだアイドルになる前、青森にいたころのある出来事の夢だ。
5: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 01:57:24.79 ID:QUXWsklw0
「愛海ちゃん?」
くるみちゃんが心配そうに顔を覗き込んでくる。
「ごめん。夢の内容、忘れちゃった」
6: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 01:58:46.88 ID:QUXWsklw0
とはいえ寒いのは事実だろうから。
「じゃあ手を繋ぐ?」
妥協案を提示してみたら。
7: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 01:59:24.04 ID:QUXWsklw0
くるみがレッスンを終えて事務所に戻ると、愛海ちゃんがソファーで眠っていた。
待たせちゃうから先に帰っていいと言ったのに。
起こさなきゃ、と思うけどもう少しだけ愛海ちゃんの寝顔を眺めていたい。
8: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 02:00:02.03 ID:QUXWsklw0
大沼くるみが好きなもの。
豆乳、お風呂、ポケットティッシュ集め。
大沼くるみが苦手なもの。
9: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 02:00:35.89 ID:QUXWsklw0
事務所に入ってしばらく経つのに物覚えが悪くて道がわからないくるみを、馬鹿にすることなく愛海ちゃんは手を引いてくれた。
要領が悪くてレッスンで居残りになるくるみを、愛海ちゃんは今も待ってくれる。
くるみのコンプレックスだった大きなお胸を愛海ちゃんはいつも褒めてくれる、のはよくわからないけど、でもくるみは前よりお胸を隠さなくなった。
10: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 02:01:20.00 ID:QUXWsklw0
「ねえ、知ってりゅ愛海ちゃん?くるみね、愛海ちゃんに会って、前より自分のこと好きになれたよ」
「あとね、好きな人もできたの」
寝ている愛海ちゃんの髪を撫でる。
11: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 02:03:14.51 ID:QUXWsklw0
ふと窓の外を見たら、もう暗くなっていた。
最近は夜になるのが早い。
「起こしてあげなくちゃ、ね」
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