10: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 02:01:20.00 ID:QUXWsklw0
「ねえ、知ってりゅ愛海ちゃん?くるみね、愛海ちゃんに会って、前より自分のこと好きになれたよ」
「あとね、好きな人もできたの」
寝ている愛海ちゃんの髪を撫でる。
「愛海ちゃんのおかげだよ」
愛海ちゃんの髪から指を離すと、愛海ちゃんが何か言っているのが聞こえた。
「……さい」
寝言だろうか。
耳を傾けると、次はちゃんと聞こえた。
「ごめん……なさい……」
聞こえたのは謝罪の言葉。
よく人のお山に登ろうとして叱られている愛海ちゃんには珍しくない言葉だけど、今聞こえた声はいつになく苦しそうで悲しげだった。
どんな夢を見ているんだろうか。
わからないけど、くるみはきつく握られた愛海ちゃんの手を両手で包む。
「いいよ」
愛海ちゃんの悪いところをくるみは赦してあげる。
たとえ他の誰もが赦さなくても、愛海ちゃん自身が赦さなくても、くるみだけは「いいよ」って言ってあげるんだ。
愛海ちゃんがくるみのことをくるみよりも好きでいてくれるように。
くるみは愛海ちゃんのことを愛海ちゃんよりも好きでいよう。
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