棟方愛海「あたしの罪としがない苦しみ」
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2: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/11/19(日) 01:53:25.12 ID:QUXWsklw0
彼女はあたしの右手を掴んで無理やり自身のお山に押しつけた。

普段あんなにも求めていた感触なのに、いつも通り柔らかくて温かいのに。

何故だろう、今すぐ手を離したくて仕方ない。

「好きなんでしょう。何度も触ってきたものね。これからはいつでもどこでも好きな時に揉んでいいのよ。だから」

私と付き合って。

そう囁いた唇は、迷うことなくあたしの唇へと迫る。

ぴしゃり、と乾いた音が教室に響いた。

あたしが彼女の頬を叩いた音だった。

訪れた長い静寂の後。

「……貴女のせいよ」

悲痛な声でそう呟いて、彼女は教室から去っていった。

アイドルになる前の中学一年のある秋の日。

あたし、棟方愛海は友達を一人失った。



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