鈴仙「姫様って、一言で表すと『筋肉』ですよね!」
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1: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:22:47.93 ID:cttgYBzw0
・東方Projectの永遠亭中心SSです。
地の文、書き溜めあり。
よろしくお願いします。
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2: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:24:42.57 ID:cttgYBzw0
鈴仙がそう言い放った瞬間、『ピシリ』と音をたてて、時間の止まる音がたしかに聞こえた。
私も随分と永いこと生きてきたものだが、ここまではっきりと時が止まるのを感じたのは初めてだ。
どこぞのメイド長とやらが使う秘技なんぞ、まるで比べものにならない。
そう感じたのは私だけではないようで、永琳は自分の猪口へと酒を注いだ姿勢のままで固まってしまっているし、妖怪兎たちも唖然とした表情を浮かべている。
3: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:26:15.90 ID:cttgYBzw0
あーもう。鈴仙は、酔っぱらうとたまに変なことを言い出すからなあ。
この前だって、散々飲んで酔っぱらった挙句、何の前触れもなしに永琳へ向けてガンガン弾幕を放って「師匠が死傷!『ししょう』だけに!」とかやって、あとで散々怒られてたし。
永琳が死んでもすぐに生き返る体だったから良いようなものの、もし他の人にやってたら大惨事になりかねなかった。
あの時は(この子、意外と怖いことやるなあ)と、さすがの私も戦慄したものだ。
4: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:27:02.83 ID:cttgYBzw0
でもまあ、言ってしまったものは今更どうにもしようがない。
ここは、この場で一番冷静さを保っているであろう私が、この空気を何とかするしかあるまい。
相変わらず固まっている永琳や、恐ろしい笑みを浮かべる姫様に代わり、私は鈴仙へ問いかける。
「ねえ鈴仙」
5: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:27:58.42 ID:cttgYBzw0
鈴仙は、私の言葉に対して笑みを深めると、嬉しそうにこう言った。
「だってさ、姫様って『竹』の『内』側から出てきた、『月』でも有数の『力』を持った『人』な訳でしょ?これ、ぜーんぶ合わせたら、『筋肉』になるじゃない」
「うん。あんたの頭が想像以上に悪いってことだけはよく分かった」
「えー?」
6: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:29:09.45 ID:cttgYBzw0
「それでね、師匠の場合はどうなるのかな、とかも考えてみたんだけど」
「聞きたくないけど一応聞いてあげる。何?」
嫌な予感は既にバリバリ漂っているが、ここで下手に鈴仙の機嫌を損ねでもしたら、ますます事態はややこしい方向へ進むだろう。
そんなことを思いながら私が仕方なく口を開くと、鈴仙は先ほどと同じように、笑みを浮かべながら話し出す。
7: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:30:09.88 ID:cttgYBzw0
「それで?結局永琳を一言で表すとどうなるの?」
「鈍いわねえ、決まってるじゃない。『月』の『旁』の『月』の『光』よ?」
「だから、何よ?」
「膀胱」
「鈴仙!逃げるよ!」
8: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:30:49.31 ID:cttgYBzw0
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9:名無しNIPPER[sage]
2017/10/07(土) 12:31:11.15 ID:lIxXR+AOO
さすがのうどんのネーミングセンスのなさ
10: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:33:45.45 ID:cttgYBzw0
「ねえ、ねえ、てゐ。良いこと教えてあげようか」
「何よ。またくだらない話じゃないでしょうね」
「くだらなくなんかないわよう。紅魔の魔女さんから聞いた、何だかとっても深い話なんだから」
そう前置きすると、鈴仙はちょっとだけ表情を真剣なものにして話し始める。
11: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:35:12.41 ID:cttgYBzw0
―――曰く、ただ闇雲に前進するという行為は、前進と呼べるものではない。
本当の前進というのは、しっかりと目的地を定め、そこへたどり着くための準備を整え、最初の一歩を踏み出した時に、初めてそう呼べるのだ。
そして、その準備を万端にするためには、少しの間立ち止まって、何が必要なのかを考える必要がある。
だからこそ、本当に『歩』くためには、敢えて『少』し『止』まることが必要なのだ―――
12: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:36:01.85 ID:cttgYBzw0
「……鈴仙」
「なあに?てゐ」
「もう、漢字遊びは禁止。あんたが誰かに何か言う度に、弾幕飛んできそうな気がしてしょうがないから」
「えー?何でよ、つまんない」
13: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:37:38.82 ID:cttgYBzw0
「そういえば、てゐとでーとするのなんて初めてじゃない?楽しみ〜♪」
「でーとって。女同士で、でーとも何もないでしょうが」
「何よう。二人っきりで遊ぶんだから、立派にでーとじゃない」
「まあ、何でもいいけどさ。覚悟しててよ?一日あっちこっち飛び回るから」
「了解!」
14: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:38:25.67 ID:cttgYBzw0
おまけ1
「……本当は、別に怒っていたわけじゃないんでしょ?輝夜」
「あら、見抜かれてたかしら?永琳」
「当たり前ですよ。どれだけ一緒にいると思ってるんですか」
15: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:38:56.18 ID:cttgYBzw0
おまけ2
「てゐー」
「何よ?鈴仙」
「てゐを一言で表すと、っていうの思いついたんだけど」
16: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/10/07(土) 12:40:09.51 ID:cttgYBzw0
以上になります。
なお『歩』の字は、実際には歩いている人の足跡をイメージした象形文字の模様。
そんなアホな話ではありますが、自分的には気に入っている一作なので、今回も昔某所へ投稿したものを引っ張り出してきました。
作中で扱っている言葉遊びは、強いて言えば字謎になるんでしょうか。書いてる本人もよく分かってなかったり。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/10/07(土) 14:31:42.62 ID:zsnvfNzno
おあとがよろしいようで
18:名無しNIPPER[sage]
2017/10/07(土) 16:22:24.77 ID:mpJX/jSVo
座布団二枚
19:名無しNIPPER[sage]
2017/10/08(日) 05:05:30.59 ID:UAR5Bileo
おつ
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