220:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:25:36.33 ID:yNCJI72m0
「――ちゃん?」
「―央ちゃん?」
221:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:26:14.73 ID:yNCJI72m0
……先に言い訳をさせてもらうと、ほんの気の迷いで。
どうせレッスン終わったらすぐ戻ってくるし、上手くいかないことばかりでちょっとむしゃくしゃしてたのかもだけど。
そのノートを、手にして。
棚の1番上に隠しちゃった。
222:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:26:54.09 ID:yNCJI72m0
当然なんだけど、慣れないことはするものじゃない。
レッスンの間、ソワソワしっぱなしで、何回も怒られてしまった。
最近の元気のなさと相まって、トレーナーさんも心配そうな顔を向けている。
でも、こっちはひとまずそれどころじゃなくて、とにかく早く戻って謝んなきゃって。
223:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:27:44.27 ID:yNCJI72m0
「3人とも、おっつかれー!」
できるだけ元気な声で、私は千枝ちゃん、仁奈ちゃん、みりあちゃんに声をかけた。
ランニングをしていたのはこの3人で、ちょうど休憩に入ったらしい。
224:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:28:32.40 ID:yNCJI72m0
「休憩中かな?」
「そうでごぜーます!」
225:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:29:03.56 ID:yNCJI72m0
「も、もー、未央ちゃん、次から気をつけてね?」
みりあちゃんは私を責めない。本当に優しい子だ。胸がズキズキ痛む。いっそ土下座でもしようかって思った、その時。声が聞こえて、こちらに駆け寄る影が1つ。
226:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:29:43.06 ID:yNCJI72m0
「未央ちゃん、もしかして知ってたのー!?」
「え? 未央ちゃんが教えてくれたんですか?」
227:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:30:22.79 ID:yNCJI72m0
……まあ、確定と言っていいんじゃないかな。
なんでかよくわかんないんだけど、善い事をすると悪い方向に、悪い事をすると善い方向に転がってしまうみたい。
いやはや、我ながらなんと意味のわからない……
228:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:30:54.92 ID:yNCJI72m0
「……はぁ」
最近はもう、ため息がクセみたいになっちゃってる。
そりゃあ、さ? みんなには感謝されるよ。そこは単純に嬉しいけど。
229:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:31:23.03 ID:yNCJI72m0
そんな重苦しい気持ちに蓋をしながら、この日も事務所への道を歩いていた。
「おっ」
230:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:31:54.27 ID:yNCJI72m0
残された私は、今までにない感覚に困惑している。
あれ? 今の、失敗?
悪いことして、良い結果になると思ったんだけど……
結果は……
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