229:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:31:23.03 ID:yNCJI72m0
そんな重苦しい気持ちに蓋をしながら、この日も事務所への道を歩いていた。
「おっ」
ふと道端の自動販売機を見ると、見覚えのある後ろ姿が、お金を入れてたんだ。
あの金の髪は……、見間違えるはずもない! ゆいゆいだ!
ゆいゆい、確かこの前コーラにはまってるとか言ってたような!
ってことは、ここで未央ちゃんがすることは1つ!
「おっしるこ〜!」
なんだかふざけた掛け声で、ゆいゆいの後ろから自販機のボタンを押した。
「わっ! 未央ちゃん!?」
ガコン
「やあやあゆいゆい、元気かい?」
「もー! ゆい、おしるこなんて飲まないよ!?」
「あれー? めんごめんご!」
そもそもなんでこの季節におしるこが売ってるのかとか言っちゃダメだよ?
「酷いよー! ……あれ?」
取り出し口からゆいゆいが取り出したのは、まぎれもない、コーラだ。
よかった……、今回も成功したみたい。
「いやあ、なんか入れ替わってる気がしたんだよねぇ」
不安だった心を見せないように振るまう。
でも、ゆいゆいの表情は……なんというか……
「……」
「……あれ?」
「ゆい、今日はメロンソーダ飲もうと思ってたんだけどなー」
「……え?」
「ま、いいや! おしるこよりはマシかな! じゃ、お仕事あるから先に事務所行ってるね!」
「あ、う、うん」
「じゃーね!」
ごめんね。という声が喉から出る前に、ゆいゆいは見えなくなっていた。
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