222:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:26:54.09 ID:yNCJI72m0
当然なんだけど、慣れないことはするものじゃない。
レッスンの間、ソワソワしっぱなしで、何回も怒られてしまった。
最近の元気のなさと相まって、トレーナーさんも心配そうな顔を向けている。
でも、こっちはひとまずそれどころじゃなくて、とにかく早く戻って謝んなきゃって。
いつもより何倍も長く感じたレッスンを終えて、私は駆け出していた。
ようやくたどり着いた部屋のドアを開けて。
「あ……未央さん」
「の、乃々ちゃん」
「あの……も、もりくぼ、未央さんを待ってました」
ま、そうだよね……。犯人かどうかわからないとしても、直前まで部屋にいた私に聞くのは正しいし……
「もりくぼのポエム帳を棚の上に隠したの……未央さん……ですか?」
「……うん。乃々ちゃん、ごめ」
「あ、ありがとうございます……!!!」
……
「……んんん?」
「本当に助かりました……。あのままだと、誰かに読まれてたかも……」
「……えっ、え?」
「レッスン中に、机の上に出しっぱなしだと気がついて……。急いで戻ってきたら隠してあって……」
「い、いや、私は」
「あ、あの後すぐにきらりさんに取ってもらったので、困ったとかもないですし……」
「ち、ちが……」
「では、もりくぼは失礼します……。ありがとうございました」
またお辞儀をして、乃々ちゃんは去って行った。
一方私は、なんか……よくわからない。
気持ちの整理がちょっと難しい。
最近ずっと、良いことをしようと思ったら裏目に出て。
今回は……
そして、1つの仮説が頭に浮かんできた。
この1回だけで判断するのは危ないってレベルじゃないんだけど、何かすがれるものが欲しかったのかもしれない。
……ふと窓から外を見ると、誰かがランニングをしていた。
344Res/309.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20