156: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:16:31.38 ID:xaav314N0
断続的な響きが耳に痛くて、私は顔をしかめてしまいます。
「気分が悪いの?」
157: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:17:27.04 ID:xaav314N0
はっとして私は携帯を取り出します。
プロデューサーさんに伝えなければと思い立ったからです。
158: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:18:59.96 ID:xaav314N0
耳元からは、聞き覚えのある底低い唸り声がするばかりでした。
159:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:09:31.53 ID:QOYRkH000
小梅「自分に似た人は世界に3人いる……なんて話があるよね」
小梅「この広い世界で3人だから、会う確率なんてすっごい低いんだろうけど……それでいいと、思う」
小梅「ただの似てる人なら大丈夫だけど……そうじゃなくて、本当にもう一人の自分だったら、死期が近いってことになるから……」
160:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:12:45.41 ID:QOYRkH000
「そういえば小梅さん、昨日はショッピングでもしてたんですか?」
「えと……昨日は溜まってたDVDを観てたから、ずっと寮にいたよ……?」
「あれ、そうなんですか。むむむ……」
161:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:15:41.79 ID:QOYRkH000
「おい小梅、お前夜中にコンビニにいたろ。あんな遅くまで出歩くと危ねェから気ィつけろよ?」
「先週のあの映画、小梅も観に行ってたのね。席も離れてたし、観終わったあとはいないんだもの。目が合ったけど私と気付かなかった?」
「喫茶店の奥の席でパフェ食べてるところ、お店の外から見つけたんだけど……小梅ちゃん、ひとりであんなにおっきいパフェ頼むんだってびっくりしちゃった。今度一緒に食べようね♪」
162:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:20:10.53 ID:QOYRkH000
そうやって、覚えのない目撃談が日に日に増えている。
1度なら、珍しいなって。
2度なら、こんな偶然もあるんだって。
でも、それが何度も起こると、もうこれは単なる見間違いでも偶然でもない。
163:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:23:28.30 ID:QOYRkH000
……
…
「――それで、ドッペルゲンガーがいるとして……小梅ちゃんはどうしたいんだ?」
164:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:27:45.78 ID:QOYRkH000
それから3人で事務所に行って、みんなに話を訊いて回った。
私を見かけた日、場所、時間、何をしていたか。
傍から見たら自分のことを訊いていることになるので、みんな不思議そうな顔をしてた。
街の雑踏、駅のホーム、ゲームセンター、図書館。
165:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:36:33.79 ID:QOYRkH000
決定的だったのは、藍子ちゃん。
散歩中に公園へ立ち寄ったとき、花壇のお花を見つめる『私』を見つけたみたい。
もちろん、私は公園に行ってもいない日のこと。
166:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:40:27.01 ID:QOYRkH000
事務所にいたみんなから一通り話を聞けたから、情報をまとめてみることにした。
地図アプリで目撃された場所にピンをさしていくと、普段私がお出かけする範囲とほとんど同じだった。
時間は朝から深夜までと、かなり幅広い。
ただ、平日の昼だけはほとんど目撃証言がなかった。
昼に現れるのは基本的に土日だけど、全く姿を見せない日も多い。
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