153: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:13:06.40 ID:xaav314N0
「不思議だと思わない?」
彼女が笑いかけるような仕草を見せましたが、私はただ、そのさまを見ていることしかできません。
154: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:13:57.26 ID:xaav314N0
いよいよ私は読んでいた本を閉じ、胸元に抱えました。
「……鯨だってコミュニケーションを取る生き物っていうでしょ」
155: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:15:10.97 ID:xaav314N0
どうして彼女はさっきから、ずっと唸り声を上げているのでしょう?
156: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:16:31.38 ID:xaav314N0
断続的な響きが耳に痛くて、私は顔をしかめてしまいます。
「気分が悪いの?」
157: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:17:27.04 ID:xaav314N0
はっとして私は携帯を取り出します。
プロデューサーさんに伝えなければと思い立ったからです。
158: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:18:59.96 ID:xaav314N0
耳元からは、聞き覚えのある底低い唸り声がするばかりでした。
159:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:09:31.53 ID:QOYRkH000
小梅「自分に似た人は世界に3人いる……なんて話があるよね」
小梅「この広い世界で3人だから、会う確率なんてすっごい低いんだろうけど……それでいいと、思う」
小梅「ただの似てる人なら大丈夫だけど……そうじゃなくて、本当にもう一人の自分だったら、死期が近いってことになるから……」
160:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:12:45.41 ID:QOYRkH000
「そういえば小梅さん、昨日はショッピングでもしてたんですか?」
「えと……昨日は溜まってたDVDを観てたから、ずっと寮にいたよ……?」
「あれ、そうなんですか。むむむ……」
161:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:15:41.79 ID:QOYRkH000
「おい小梅、お前夜中にコンビニにいたろ。あんな遅くまで出歩くと危ねェから気ィつけろよ?」
「先週のあの映画、小梅も観に行ってたのね。席も離れてたし、観終わったあとはいないんだもの。目が合ったけど私と気付かなかった?」
「喫茶店の奥の席でパフェ食べてるところ、お店の外から見つけたんだけど……小梅ちゃん、ひとりであんなにおっきいパフェ頼むんだってびっくりしちゃった。今度一緒に食べようね♪」
162:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:20:10.53 ID:QOYRkH000
そうやって、覚えのない目撃談が日に日に増えている。
1度なら、珍しいなって。
2度なら、こんな偶然もあるんだって。
でも、それが何度も起こると、もうこれは単なる見間違いでも偶然でもない。
163:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:23:28.30 ID:QOYRkH000
……
…
「――それで、ドッペルゲンガーがいるとして……小梅ちゃんはどうしたいんだ?」
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