153: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/10(日) 16:13:06.40 ID:xaav314N0
「不思議だと思わない?」
彼女が笑いかけるような仕草を見せましたが、私はただ、そのさまを見ていることしかできません。
「文香はそうは思わないの?」
「少し残念ね」
彼女は再びマグカップを啜ります。
きっと、悪い冗談じゃないかと思いました。
でなければ夢だと。
「鳴き声だけじゃなく、海中の軌跡も他の鯨とは異なるらしいの」
「たった一匹きりで、冷たい海の中を泳ぎ続けていて、寂しくならないのかしら」
「でも、寂しいという感情すら、知らないのかも」
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