女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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143:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 22:59:03.51 ID:L2VEMbba0

 ◇



以下略 AAS



144:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 23:00:04.08 ID:L2VEMbba0

 私は弱った小鳥を拾いました。その子は放っておけば、間違いなく死んでしまうような状況でした。だから私はその子を手当てして、元気になったあとにまた逃がしたんです。それから三日たってカラスが集まっているのを見ました。不審に思って近づいてみると、カラスは一斉に飛び立ちます。そこにはぼろのように横たわった、『なにか』がありました。それには見覚えがある傷があって、目の前が真っ暗になりました。私はそれを拾ってこの前と同じように助けようとして……。私の手の中にいる小さな生き物は、家に着く前に冷たくなっていました。私は泣きながらお墓を作ります。そして、こう思うのです。カラスに弄ばれて、苦しかっただろう、私が余計なことをしなければ、少なくともこの子は安らかに死ねていたん
だ。


以下略 AAS



145:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 23:00:38.06 ID:L2VEMbba0

 俺は子供の頃、喜んで蟻を踏み殺していた。意味もなく小さな命を潰していったんだ。大きくなって後悔した。馬鹿なことをしていたと。ずっと罪悪感があった。贖罪をしたかった。俺は正義のヒーローを目指した。俺は反省しているんだと、自分に証明したかった。いじめられているやつがいた。だから首謀者を椅子で殴りつけたんだ。そいつは耳が聞こえなくなった。皆が俺を化け物でも見るかのような目で見た。最初は周囲がおかしいと思っていた。だが大人になってからわかった。もっと取れる手段はあった。結局、俺は周囲に対する不満を怒りに任せてぶつけただけだった。過剰な正義心の、独善的な偽善者だった。俺は、謝りに行った。そいつはゴミをみる目で俺を見て、こういった。
「よかったな、これでお前は自分を許せるわけだ」


以下略 AAS



146:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 23:01:15.55 ID:L2VEMbba0
そろそろ終わります


147:名無しNIPPER[sage]
2017/09/12(火) 04:35:39.27 ID:Bav4t3Xko
どうなるんだこれは…



148:名無しNIPPER[saga]
2017/09/12(火) 18:41:25.81 ID:bdvuTYni0



『世界全体は絶対に幸福になるべきで、されどそうはならないのが現実である』

以下略 AAS



149:名無しNIPPER[saga]
2017/09/12(火) 18:41:51.82 ID:bdvuTYni0

「なあ、任されてくれるかい?」
「……」
「君が人を導いてくれ。私にはその資格がない。もうことは起こってしまった。人が死んでしまった。だから……現実に迎合した理想の世界を、作ってくれ」
「……」
以下略 AAS



150:名無しNIPPER[saga]
2017/09/12(火) 18:42:18.45 ID:bdvuTYni0



 彼女のことを考える。楽しかった時の思い出。些細な苦労と、乗り越えた時の喜び。それらすべては、僕にとって大切な宝もので。

以下略 AAS



151:名無しNIPPER[saga]
2017/09/12(火) 18:42:56.10 ID:bdvuTYni0

「そんな大層なものではないけど、記号として僕は『賢者』と呼ばれているね」

 賢者の塔の伝説。星が堕ちて、人類は壊滅した。だが一部の人間は生き延びている。なぜだろう? それはきっと、誰かが先を見据えて人が生き残る手段を講じたからだ。ああ、未来を知る賢者様は我らを救いたもうた。

以下略 AAS



152:名無しNIPPER[saga]
2017/09/12(火) 18:43:24.17 ID:bdvuTYni0

「そんな大層なものではないけど、記号として僕は『賢者』と呼ばれているね」

 賢者の塔の伝説。星が堕ちて、人類は壊滅した。だが一部の人間は生き延びている。なぜだろう? それはきっと、誰かが先を見据えて人が生き残る手段を講じたからだ。ああ、未来を知る賢者様は我らを救いたもうた。

以下略 AAS



153:名無しNIPPER[saga]
2017/09/12(火) 18:44:22.50 ID:bdvuTYni0

「後継者はいますか?」
「……傲慢だね。頭はちゃんと働いているのかな? そんな価値、君にあるのかい?」
「……たぶん」

以下略 AAS



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