女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
1- 20
153:名無しNIPPER[saga]
2017/09/12(火) 18:44:22.50 ID:bdvuTYni0

「後継者はいますか?」
「……傲慢だね。頭はちゃんと働いているのかな? そんな価値、君にあるのかい?」
「……たぶん」

 ははは! と彼は笑った。それに驚く。
 だが意外なことに、それは辛辣さといったバカにしたものは含まれず、単純におかしいというものしか伝わってこない、そういった笑いだった。

「ここまで強気にきて自分の価値は信じられないわけだ? まあ、そういう人間だもんね、君は」
「……何もかも知ってるみたいに言うんですね」
「でもこうなんじゃないかと、君は予想してたんじゃないのかい?」

 こくり、と僕は頷く。
 最初に会ったとき、彼は僕のことを見通すかのような喋り方をした。彼が僕のことをなにかしら知っていても不思議はない。

「後継者、ね。そういう存在は欲しいね、たしかに。まあ、そういうつもりで近づいたんだけど」

 しかし、と彼は言う。

「ほんとうに君なんかでいいのかな?」
「ここまで来れる人間はそこまでいないんじゃないんでしょうか? 結果はでていますよ、一応」
「そんなものは求めていない。能力なんて必要ない。僕が求めているのはただひとつ。ふさわしい思考を持つかというだけだ」

 瞳の奥を覗きこまれる。

「いいよ、力を貸してあげるよ。でももう一つ言っておくことがある」

 指さす方向には僕がいる。

「君はもうそういうことができる存在だ」
「……え?」
「魂の成長と、魔素の適合が起きたんだ。まあ、それは最初にあった時にそうなるように僕が仕込んだからだけど。それでも普通なら無理だ。君の魂は本当に特殊な形だったんだよ。魔素に向き合えるだけの魂に成長したキーはこれだ。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
187Res/253.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice