4: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 21:53:45.53 ID:b3owXeO0o
「釣れないなぁ……」
「釣れませんです……」
5: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 21:55:33.40 ID:b3owXeO0o
また、何度か浮きは魚が来たぞと震えたりもしたが、俺たちは釣り上げることができなかった。
そのたびに水筒の麦茶が減っていく。
6: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 21:56:45.10 ID:b3owXeO0o
どれくらい経っただろうか。
気の抜けたまま随分とぼんやりしていたようで、腰かけているコンクリートの桟橋に汗のあとが点から奇妙に歪んだ円形に広がっていた。
7: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 21:57:36.49 ID:b3owXeO0o
「どうした?」
不思議に思い、餌を付けながら声をかける。ライラさんはいつもと変わらないのんびりした声で答えた。
8: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 21:58:15.29 ID:b3owXeO0o
「いろんなところ、か」
「いろんなところでございます」
9: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 21:59:03.33 ID:b3owXeO0o
「そうか……ライラさんと一緒に釣りに来てよかったよ。ライラさんが好きなことを一つ教えてもらえた」
「ライラさんはプロデューサー殿と一緒にいれるだけで満足でございますよー」
10: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 21:59:53.08 ID:b3owXeO0o
「アイスでございますか」
「アイスでございますよー」
11: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 22:01:08.45 ID:b3owXeO0o
隣に座る少女の青い瞳は、遠く広がる海と空と同じくらい透き通っている。
そのとき、ライラさんの浮きがぴくん、と沈んだ。釣り竿が逃すまいとしなっている。
12: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 22:02:13.04 ID:b3owXeO0o
ライラさんと釣りに行きたくてこうなりました。
今年の夏は海に行きたい。
ありがとうございました。
13:名無しNIPPER[sage]
2017/07/20(木) 22:49:31.76 ID:knQxff2To
乙
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