1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:46:59.68 ID:O0wn2k7EO
その日、白菊ほたるが彼と出会ったのが幸運なのか不幸なのか、それは定かではないのだけれど、けれどもそれが白菊ほたるという少女にとっては大きな出会いだったことだけは間違いないのでしょう。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:47:43.80 ID:O0wn2k7EO
「プロデューサーさん、遅いなぁ……」
テレビ局でのお仕事が終わり、プロデューサーさんが車を回してくるから、と駐車場へ向かったのが15分程前、駐車場から私の待っているロビーまでは遅くても10分あれば回してくるのがいつものことでした。
けれども、この日は珍しく時計の針が4分の1を回ってもまだやってきません。また、遅くなりそうだったら必ず連絡するのがプロデューサーさんなので心がざわざわします。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:48:34.08 ID:O0wn2k7EO
じっとスマホの画面を見つめ、「よし」と小さく頬を叩いてから立ち上がります。何かあったにせよ、なかったにせよ駐車場に向かおうと決め、歩き出します。
すると、ドンッと誰かにぶつかってしまい手に持ったスマホを落としてしまいました。すみません、と謝ってから落ちてどこかに言ってしまったスマホを探していると外国人のような男性からスマホを差し出されました。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:49:05.89 ID:O0wn2k7EO
「ふぅ、相変わらずの不幸だけどこれくらいで済んで良かった。怪我はない?」
「あの……今、相変わらずの不幸って……」
手際の良さに驚いていると、彼の口からさらに驚く言葉が発せられ思わず聞き返してしまいました。すると彼は困ったように笑って。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:51:23.12 ID:O0wn2k7EO
あの発火騒動から少し後、そのスマホの後始末などを済ませた後に私たちは局の喫茶店にいました。
「む、まだ自己紹介してなかったね。僕の名前はジェラ……ああ、いや違う。ロドニーだ、よろしく」
「ほたる……白菊ほたる、です」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:52:41.26 ID:O0wn2k7EO
〜〜〜
私の不幸について聞かせてほしいと言われて、言い渋っていましたがロドニーさんににこにこと見つめられ続け、話してしまいました。日常のちょっとした不幸から、プロデューサーさんにしか話したことがないような不幸のことまで。そこまで話す気はなかったのに、何故か彼の視線に晒されると、ぽつぽつとですが話してしまいました。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:53:24.28 ID:O0wn2k7EO
「え……?」
「不幸にも所属していた事務所が潰れてしまった。けれどそのおかげで君は自分のことを打ち明けて心から信じられるプロデューサーに出会えた」
「……はい」
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