4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:49:05.89 ID:O0wn2k7EO
「ふぅ、相変わらずの不幸だけどこれくらいで済んで良かった。怪我はない?」
「あの……今、相変わらずの不幸って……」
手際の良さに驚いていると、彼の口からさらに驚く言葉が発せられ思わず聞き返してしまいました。すると彼は困ったように笑って。
「うん? ああ、僕はどうやらいわゆる『不幸体質』らしくてね、こういうことはしょっちゅう起こるんだよ。そういえばこれ君のスマホだったね、弁償するよ」
「いえ、あの……弁償はいいです。私のせい、ですし……」
「え? 落としたのは君のせいだけどこうなったのは僕のせいだろう? 気にしなくていいよ」
「その……私も不幸、なので……」
そう言うと、彼の目が優しい男性の目から冷徹な研究者の目に変わったような気がしました。でもそれは気のせいだったのか、目をそらしてしまった後にもう一度目を合わせると、変わらない優しげな目をしていました。
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