7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/05(水) 16:53:24.28 ID:O0wn2k7EO
「え……?」
「不幸にも所属していた事務所が潰れてしまった。けれどそのおかげで君は自分のことを打ち明けて心から信じられるプロデューサーに出会えた」
「……はい」
「不幸にも予定されていた仕事がキャンセルになったことで飛び込み営業をし、新たな仕事の幅を広げることができた」
「……っ」
「不幸にも雪が降ったおかげで余り仲良くできていなかった事務所の娘と雪遊びをして親交を深めることができた」
「……確か、に」
「それらのことを話してくれたほたるちゃんの顔はね、すっごく嬉しそうだったよ」
「嬉しそう……?」
「うん、自分が不幸なことなんか乗り越えられるような良い笑顔だった
「そ、そうですか……あぅ……」
思わぬことを言われて頬が熱くなりました。
「それにまあ……僕に比べればまだ……ね、うん」
「あはは……そ、そうですね……」
「うん、だから君はそんな気にすることないよ。えーと、なんだっけ。ほら、日本のことわざ? にあった……病気は、なんだっけ」
「病は気から……?」
「ああ、多分それだ。僕やほたるちゃんみたいなのは病気じゃないけど……気持ちが落ち込んでたらそれに引っ張られちゃうから気にしないのが一番だ」
「……はい、そうですね!」
「うん、いい返事。それじゃあそろそろ君のプロデューサーさんも来るだろうしね」
「え……?」
「あはは、なんでもないよ」
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