まゆ「恋の病は、不治の病」
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13: ◆tADl8swv.6[sage saga]
2017/06/27(火) 21:48:49.97 ID:HIV0unwe0
******

私は──佐久間まゆは、よく周囲から「いい子」だと言われ続けてきた。

真面目に勉強に取り組み、規則は破らず品行方正で、家事の手伝いだって早くから始めたし、表だった人間関係の不和も起こさなかった。
以下略 AAS



14: ◆tADl8swv.6[sage saga]
2017/06/27(火) 23:01:05.32 ID:HIV0unwe0
『いつかは終わりが来ると知っているから、一分一秒が素晴らしく、当たり前の日々は何より美しい』と誰かが謳った。

私はそうは思わない。だって、認めたくない。受け入れられない。この愛おしい毎日が、いずれ消え去ってしまう運命だなんて。

『永遠』じゃないと嫌なのだ。まゆは終焉なんて望んでいない。この世すべてに抗ってでも、私は永遠を手に入れたい。掴み取りたい。
以下略 AAS



15: ◆tADl8swv.6[sage saga]
2017/06/27(火) 23:53:16.85 ID:HIV0unwe0
……傷口が塞がった後も、暫くまゆの指を口で抱き留めていた。流れ出たまゆの血液で喉を潤した。
血は鉄の錆び付いた味と言うが、まゆの血の味はそんなに悪いものでもなかった。寧ろ、美味しく感じられる程だった。

傍から見たら、吸血鬼などと揶揄されるのかもしれない。少なくとも血を舐めるという行為は、常識から逸脱しているのだろう。

以下略 AAS



16: ◆tADl8swv.6[sage saga]
2017/06/28(水) 00:31:48.23 ID:jrlvIJl/0
「ん…………、はっ、ぁ───」

吸い付くだけでは物足りず、まゆは舌で傷口を撫で始める。さらさらした茶色の髪が乱れているのも気にせずに、甘美な声を奏でる。
───ゾクゾクする。言い知れぬ感覚が、脳を、全身を支配してくる。
滅多なことだからか、単純にまゆが上手いのか。
以下略 AAS



17: ◆tADl8swv.6[sage saga]
2017/06/28(水) 13:19:09.52 ID:tToQ/3mUO
「あ……傷口、塞がっちゃいましたね」

まゆからの一言で意識が現実へと引き戻される。
…………一体どのくらいの間、そうしていたのか。
気付いた時には窓の外には暗闇が広がり、夏と言えどもすっかり夜の景色を映し出すのに十分な時刻となっていた。
以下略 AAS



18: ◆tADl8swv.6[sage saga]
2017/06/28(水) 16:21:32.49 ID:jrlvIJl/0
右腕をまゆの背中へと回す。
小さなその身体を片腕で抱き締める。
それに呼応して、まゆも両手でしがみついてくる。
最早、お互いが互い無しでは生きていられないほどに依存しきっていることを表すかのように。

以下略 AAS



19: ◆tADl8swv.6[sage saga]
2017/06/28(水) 16:27:36.73 ID:jrlvIJl/0

終わりです。
「ヤンデレ」って言われたらどうしても外向的ヤンデレのイメージが先行してるけど、
内向的ヤンデレもいいぞ。ってことを伝えたかった


20:名無しNIPPER[sage]
2017/06/29(木) 10:55:50.06 ID:eIpLoZkFO
素晴らしい
二人揃っての歪み愛がたまらん


21: ◆OYYLqQ7UAs[sage]
2017/06/29(木) 11:52:48.58 ID:TsCMlMCZo

共依存ヤンデレとか大好きすぎてヤバイ


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