2: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:01:18.45 ID:M0dxYweBo
六月六日。今日は私の誕生日だ。
ボッチの私は、誕生日でも関係なくボッチだった。
リア充みたいなお誕生日会なんてこれっぽっちも縁がなかった。
3: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:02:20.21 ID:M0dxYweBo
キノコは私の支えでもあるし、変わるきっかけになった親友と会わせてくれた大事なトモダチだ。
スカウトだって、キノコを探してうろうろしてたときだった。
……今思うと、結構な笑い話だな。アイドルオーディションを「キノコのオークション」と間違えて行くなんて。フヒッ。
4: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:02:52.93 ID:M0dxYweBo
アイドルをやっていたら、色々なことが、ぽこぽこ生えるキノコみたいにいっぱいあった。
日陰でジメジメした誰かのために叫べるようになった。
好きなものを好きだと思いっきり歌って輝けるって知った。
5: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:03:49.20 ID:M0dxYweBo
トモダチが増えた。
6: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:04:31.62 ID:M0dxYweBo
キノコたちに支えられて、親友がいて、ユニットの仲間たちがいて……
ずっとボッチバースデーだったけど、もしかしたら、もしかして、ちゃんとハッピーバースデーってお祝いしてくれるんじゃないかな……?
キノコがいっぱいのお部屋で、お誕生日会をする。
7: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:05:53.24 ID:M0dxYweBo
――かどうかというタイミングで、ドアを激しく叩く音が聞こえた。
8: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:06:54.25 ID:M0dxYweBo
間抜けな声を出す幸子ちゃんをほっといて美玲ちゃんがむりやりフードを被せてきた。
完全に視界を奪われたまま、手を引かれてどこかへ連れてかれていく。
女子寮の廊下をぺたぺた歩く自分の足を眺めながら、幸子ちゃんと美玲ちゃんにぐいぐい引っ張られていく。
9: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:07:21.77 ID:M0dxYweBo
あちこちから何かが破裂するような音がして紙テープが空中を跳ねまわる。
「輝子ちゃん!! お誕生日おめでとう!!」
10: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:08:09.41 ID:M0dxYweBo
全く止まらずにあちこちから言葉の雨が降ってくる。結構な人数が、こんな時間にいるけど……
もうちょっとしたパニックだ。何だコレ。何だコレ!!
「えへへ……びっくりした? 輝子ちゃん」
11: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:09:39.64 ID:M0dxYweBo
「いやあ、結構大変だったんだぞ? スケジュール合わせて、ここの食堂の使用許可申請して、結局断られたけど無理やりに勝手に使って……」
「え゛っ!?」
23Res/15.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20