ガヴリールドロップアウト
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9: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:19:30.12 ID:pDk4sywp0
サターニャの要求はかなり予想外だった。
思わず私は彼女のことを凝視してしまう。
私の視線に対して何かを感じたのか、サターニャは目が合うとすぐに顔をそむけてしまった。
今の反応、ひょっとして、照れてた?
いや……まさかな。
以下略 AAS



10: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:21:07.94 ID:pDk4sywp0
004

デート、と言っていいのかわからないけど、それでも二人きりで映画館に行くというのだから、デートと捉えても問題はない気がする。
サターニャに指定された待ち合わせ場所は市街地の一端、そこは雑誌などでデートスポットによく取り上げられるエリアだった。
ここを指定してきたってことは、向こうもデートだと認識している?
以下略 AAS



11: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:23:57.23 ID:pDk4sywp0
体力測定のあったあの日に、私はサターニャに対する見方を変えた。
それまで邪険にしていた態度も改め、それ以降はサターニャに極力優しく接するように心がけてもいた。
しかし、私がサターニャに与えてきたものはきっとその程度の気持ちの変化で償えるようなものではないだろう。
だから今日は、サターニャにどんなことをされようと、それを甘んじて受け入れるつもりでいる。
私はまるで天界にいた頃を思い出したみたいに、精一杯身だしなみを整えてから、行ってきますと呟いて家を出た。


12: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:25:34.34 ID:pDk4sywp0
005

「あら、遅かったわねガヴリール」

待ち合わせ場所に着くと、そこにはすでにサターニャがドヤ顔で待ち伏せていた。
以下略 AAS



13: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:27:00.04 ID:pDk4sywp0
いつにも増してテンションが高いサターニャと一緒に、少し歩いた場所にある映画館へ向かう。
その際の会話で得た情報によると、サターニャは地上に来てから映画館で一度も映画を観たことがないため、誰かと一緒に映画が見たかったのだと。

「ガヴリールは映画館に行ったことあるの?」

以下略 AAS



14: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:28:53.85 ID:pDk4sywp0
映画館でチケットを買う際に、私の分のお金をサターニャが出そうとしてきた。

「いや、自分のチケット代くらい自分で払うよ」

「ふん、どうせアンタ課金とかで金欠なんでしょ、今月魔界からの仕送りが少し多かったからこれくらいの出費痛くもかゆくもないわ、それに」
以下略 AAS



15: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:30:45.76 ID:pDk4sywp0
006

時刻は16時52分。
映画館を出たあと、お腹が空いたので適当に近くのファミレスに入ることにした。

以下略 AAS



16: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:32:37.10 ID:pDk4sywp0
サターニャの横顔が夕日に照らされて、なんかすごく綺麗だ。
結局、普通にデートを楽しんだだけだったな。
私が変に勘ぐりすぎた。

「サターニャ、なんで体力測定のとき、私のこと助けてくれたの?私、てっきりおまえに嫌われてるかと」
以下略 AAS



17: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:33:11.53 ID:pDk4sywp0
世界中のあらゆる時計の針が静止した。
もちろん実際は静止してなんていない。
ただ彼女の言葉はそれくらい衝撃的で、驚愕的で、そして享楽的だった。

「ふぇっ?」
以下略 AAS



18: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:34:05.85 ID:pDk4sywp0
007

後日談として、その日から私達は正式に恋人同士になった。
ヴィーネとラフィエルにはまだ秘密にしてあるけど、まあ長くは隠せないだろう。
しかし自分から報告するのは恥ずかしいので、自然に発覚するのを待つことにした。
以下略 AAS



19: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:35:07.87 ID:pDk4sywp0
これがこの物語の真相で、真実。
なんてことはない、どこにでもある、どこにでもいる学生の至って平凡な恋物語だ。
事実は小説よりも奇なりというなら、まあ天使と悪魔の恋愛も確かに“奇”と言えないこともないが、これはそんなに難しい話なんかじゃない。
とある日曜日。
私はいつか映画館に行ったあの日のように、なんならあの日以上に、サターニャに負けないように精一杯のオシャレをしたりなんかして、家を出る。
以下略 AAS



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