536: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 03:56:49.65 ID:FKWrXIy5O
「…久々に会ったが、青葉君も元気そうでよかったな。__、よろしく頼むぞ。」
「はい!ざっと聞いただけでも、壮絶なエピソードだらけでしたね…。」
537: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 03:58:25.35 ID:FKWrXIy5O
何日か経ち、雪が降った日の深夜。
私は執筆の気晴らしに、雪景色の中を歩いていました。
都内としては大雪で、新雪に私の足跡だけが刻まれて行く。
538: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 03:59:15.35 ID:FKWrXIy5O
539: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:01:26.86 ID:FKWrXIy5O
腰に熱さと重みを感じて。それが痛みだと気付くのに、何秒か間が空きました。
腰からじわじわと流れ出たものが、気温で一気に冷えて行く。
それが血だと気付いた時、後ろを振り返ると…。
540: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:03:11.80 ID:FKWrXIy5O
倒れた時、雪がクッションになってくれて。それは布団に飛び込むような心地よさでした。
刺されても、意外と色々考えられるんだ…。
ガサのお父さんは、ナイフを手に何処かへ消えてしまいました。
541: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:04:22.33 ID:FKWrXIy5O
542: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:06:16.94 ID:FKWrXIy5O
そんな時、確かに声が聞こえたんです。
何年経っても、一度も忘れる事なんて無かった声。
あの頃と同じ、白い軍服を纏う姿。
543: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:07:20.80 ID:FKWrXIy5O
「……これで、ずっと一緒だね。」
「………。」
544: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:08:41.28 ID:FKWrXIy5O
「……先生!患者さんが意識を取り戻しました!」
その声に我に帰ると、次々と白い服の人達が部屋に雪崩れ込んできて。
そこでようやく、ここが病院だと理解出来たのです。
545: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:09:50.11 ID:FKWrXIy5O
546: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:11:22.08 ID:FKWrXIy5O
優しく微笑んで、手を振る影。
それは幻なのかもしれないけど、確かにそこにいたんです。
ジュン……ずっと、守ってくれてたんだね。
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