543: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 04:07:20.80 ID:FKWrXIy5O
「……これで、ずっと一緒だね。」
「………。」
黙ったまま、彼は優しく私の髪を撫でて。
ようやく口を開いたのは、その直後の事でした。
「………そう言う訳には、行かないんだよ。」
「…………どうして?」
「簡単な事さ…お前は、生きるべき人間だからな。」
「……!?」
雪が、強くなる。
それはやがて吹雪に変わって、彼の姿を覆い隠して行く。
「……ジュン!!」
「時間みたいだな…お前には、帰るべき場所があるだろう?」
「…嫌だよ……もうジュンのいない世界なんて耐えられない!!
お願い…私も連れてってよ……ねえ!!」
「………ごめんな。」
「……ジュン……待って!!」
吹雪はやがて、真っ白な世界に変わって行く。
白く白く、目の前全てが真っ白に塗り潰される。
“生きるんだよ、お前は。”
最後にその声が聞こえて、世界が白く暗転した時。
目覚めた私の目には、真っ白な天井が映っていました。
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